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こころのコラム

何をしていても楽しくないと感じる

作成日:2021.09.10

何をしていても楽しくないと感じる

コロナ禍で、「密を避けてステイホーム」を合言葉に自粛生活をすることとなりました。人と会わない、会食をしない、おしゃべりをしない等は私たちにとって大きなストレスとなり、「何をしても楽しくない」と感じることが多くなったのではないでしょうか。こうした感覚は普通といえるのか?なぜ、何をしていても楽しくないのか?その原因について考え、ウィズ・コロナ社会で心豊かに暮らすためのヒントを探ってみましょう。

1. 何をしていても楽しくない原因

何をしていても楽しくない。自粛生活でそんな毎日を送っている方は多いことでしょう。そう感じる根底には、いつ感染するかわからない恐怖や、感染しないように絶えず気をつけなければならないなどの理由が考えられますが、具体的にはどのような原因があるのでしょうか。

1.1. 仕事で疲れ果てている

医療や介護、健康関連などソーシャルワーカーのみなさんは、コロナ禍で人手が足りず過労が心配されますが、その他の職種でも在宅勤務のために疲労を訴える方が増えているようです。自宅では仕事上のコミュニケーションがとりづらく業務を分担しにくいうえに、公私の境界があいまいで延々と仕事を続けてしまうことが少なくありません。働き過ぎで疲れ果てていては、楽しいと思える心の余裕が失われてしまうのも当然でしょう。

1.2. 生活に変化がない

生活に変化や刺激が少ないと脳の同じ場所ばかりが使われるようになり、ほかの部分の機能が衰えてしまうことがあります。こうなると感情の起伏も低下して、何をしても楽しくない状態を招いてしまいます。毎日が単調で退屈だな、と感じるようなら「脳が危機にさらされている黄信号」と思ってください。

1.3. 悩み事がある

誰しも、多かれ少なかれ悩みを抱えているものですが、「夜も眠れない」「食事ものどを通らない」ほどの悩みとなれば、何をしたところで楽しくなるはずもないでしょう。また、自己完結する悩みもありますが、自分だけでは解決しない他人や会社などが関係する悩みもあるので、つい解決を諦めがちになってしまい、生活が楽しくないと思ってしまうこともあるでしょう。

1.4. 楽しいことを共有できない

古い格言に「友情は喜びを二倍にし、悲しみを半分にする」とあるように、楽しいことは誰かと共有することで倍増します。しかし、コロナ禍にあっては知人と会うこともままならず、楽しいひとときを誰かと分かち合うことが難しくなっています。

1.5. 仕事が面白くない

仕事で重要なことはまず、やり遂げたときの達成感が挙げられます。やりたくない仕事をいやいやするのでは、やりがいも生まれず達成感を味わうことができず、仕事が面白くないと感じてしまうでしょう。また、コロナ禍で仕事の意図しない変更や異動、コミュニケーション不足などにより仕事が面白くないと感じることもあるようです。

1.6. 周りの目を気にしてしまう

思春期の頃には、何をしていても周りの視線が気になって集中できない、という方が少なくないものですが、コロナ禍の自粛生活で大人にも増えているようです。中には、久しぶりに街へ出たら他人の視線が怖くて外出を楽しむどころじゃない、オンライン会議で発言を求められたが緊張して何も言えなかった、という方も。

2. コロナ禍以降できなくなったこと

緊急事態宣言やまん延防止措置が発令され、私たちの生活はさまざまな制限を受けることとなりました。代表的なストレス解消法の頭文字を並べるとSTRESSとなりますが、これらのほとんどはコロナ禍においてできなくなってしまいました。


2.1. コロナ禍以降、制限される「STRESS」とは

S=スポーツ

自分ですることはもちろん、スタジアムでのスポーツ観戦やスポーツバーなどでひいきのチームを応援することもできなくなってしまいました。スポーツの試合自体、開催されないこともあり、スポーツ好きには大きなストレスとなっています。また、からだを動かさなくなると、楽しいと感じるポジティブな感情を失いがちになります。


T=トラベル

観光地への旅行だけでなく、密集を避けるため身近な場所で自然に親しむこともままなりません。県境を越えることはタブーとなり、海水浴場やプールも閉鎖され、若者や子どもたちにとっては、せっかくの夏休みも台無しです。大人世代にとっても帰省を控えるなど心身をいやす機会が激減してストレスは募るばかりです。


R=レクリエーション

レクリエーションは人それぞれですが、遊園地や動物園、水族館などは休業もしくは入場制限などが行われ、観たかった映画も上映の延期が相次ぎました。もっとも大きな影響を受けたのは音楽イベントで、大規模会場でのコンサートはもちろんのことライブハウスでの小規模ライブも激減してしまい、全国の音楽ファンからは失望の声が上がっています。


E=イート(食べること)

会食自粛でお店には「おひとり様」か、ごく少人数でしか行けません。会話は禁止で黙々と食べなければならず、せっかくの料理も味気ないものに感じてしまいます。


S=シンギング(カラオケ)

歌うことはストレスを解消し、健康を増進するといわれていますが、カラオケはなかなか行きづらいのではないでしょうか。おしゃべりやカラオケをストレス解消法としていた方々は、代わりの解消法を見つけられず戸惑うばかりです。


S=サケ(飲み会)

お酒が入ると会話が増えて声も大きくなりがちで、飛沫リスクが高まることから飲み会への制限が強いものになっているのは無理もない気がします。しかし、多くの方にとって気の置けない友だちとの飲み会は、まぎれもなく効果的なストレス解消法なのです。是非はともかく、お酒の自粛が社会のストレスを増加させている可能性はあるでしょう。

以上のようなストレス解消法が軒並みできなくなってしまった今、社会全体がストレスフルでいつ限界を迎えてもおかしくない状態です。「何をしても楽しくない」と感じるのも無理はありません。そんな状況にある中で、少しでも心を軽くするためにはいったいどうすればいいでしょうか。

3. 何をしても楽しくない方に試してほしいこと

今の私たちが何をしても楽しくないのは、コロナ禍以前の楽しかったことができなくなった一方で、楽しかったころの記憶にとらわれているから。懐かしんでも戻れない昨日であれば、それに代わる明日を見つけるために、意識して前を向いてみましょう。少しの勇気と行動力があれば誰にでもできることばかりなので、ぜひ試してみてください。

3.1. 新しい趣味を作る

脳を活性化させてくれるのは、好奇心、運動、コミュニケーションの3要素。まずは知的好奇心を満たしてくれる新しい趣味の発見から始めてみましょう。何を趣味にしたらいいかわからない、という方は以下を参考にしてみてください。

やってみたかったことにチャレンジ

ギターなどの楽器、絵画やイラスト、マジックなどなんでも構いません。学生時代にあこがれていたこと、できたらいいなと思っていたことなどに思い切って挑戦してみましょう。現在はほとんどの習い事がオンラインで学べる時代、ネットを活用しない手はありません。


子どもの頃の習い事に再チャレンジ

水泳やピアノ、英会話や書道など、子どもの頃に放り出してしまった習い事でも、大人になった今ならうまくできるかもしれません。かつての自分にリベンジするつもりで再開してみてはいかがでしょうか。子どものころと違って、途中で放り出しても誰にも文句はいわれませんから、気楽にチャレンジしてみましょう。


散歩と写真

天気のいい日はスマホを片手に近所を散歩、身近にあるちょっとした自然や風景をスマホのカメラで撮ってみるのはなかなか楽しいもの。ときにはバスや電車に乗って隣の町や1~2駅先まで探検に出かけてみれば、新鮮な体験となるでしょう。脳にとって新しい体験や新しい景色はとてもいい刺激になります。

ほかにも写真映えする料理やスイーツにチャレンジしたり、逆におひとり様でちょっとした食べ歩きに出かけてみたりするのもいいでしょう。続けられるかどうかは二の次、三日坊主で終わっても気にしない。とりあえずやってみることがなにより大事なのです。

3.2. 小さな目標を積み重ねる

幸福ホルモンとも呼ばれる脳内物質のドーパミンはやる気スイッチをオンにしてくれると言われています。ドーパミンの分泌を増やすには、達成しやすいちょっとした目標を掲げて、目標を達成したら自分にごほうびをあげること。「5km走ったらちょっと高めの夕食にしよう」や「5分間のなわとびを1週間続けられたら有名店のスイーツをお取り寄せしよう」など、ちょっとした目標でも達成することでドーパミンは増えます。大切なことは小さな目標でいいので、繰り返し達成感を積み重ねることです。

3.3. 楽しそうな方と仲良くなる

「笑い」は幸福感をもたらし、心を癒してくれます。これは笑うことによって癒し系の脳内ホルモンが増えるためですが、自分から笑えない時には、誰かの笑顔を見ることでも同じ効果が得られます。しかし、コロナ禍にあっては誰かの笑顔に出会うチャンスも少ないことでしょう。そんなときにはインターネットを活用して、友だちとのビデオ通話やSNSのオンラインサークルに参加するなどして、楽しそうな方と仲良くなるチャンスを探してみましょう。

3.4. いやなことをやめる

「いやなことはやめる」のが一番。とはいえ、自分がいやだと思うことすべてをやめるわけにはいきません。まずは「いやだな」と思うことのなかから、やらなくていいことを選んでやめてみましょう。例えば、気が進まないのに付き合いで参加する行事や社交・儀礼の場など、これまで深く考えずにしていた自分の「いやなこと」を紙に書き出して、「すべきこと」「しなくてもいいこと」に仕分けするのです。しなくてもいい「いやなこと」をやめるだけでも心は少し軽くなることでしょう。

3.5. 体を動かす

私たちには体を動かすことで幸福感を得る遺伝子が備わっているといわれています。特にジョギングのもたらす多幸感は麻薬にも似た常習性があり、「ランナーズハイ」という言葉があるほどです。たまには外へ出てからだを動かしてみませんか。汗をかいた後の爽快感は格別なものに感じられることでしょう。

3.6. 少しでも興味を持ったものに挑戦していく

好奇心の旺盛な方は健康で長生き、とする研究があります。好奇心には、困難な状況を成長の機会ととらえて常に課題を求めるまじめなタイプと、冒険心に富んだ新しいもの好きの2種類があり、より健康で長命なのは後者のほうです。大切なことは、少しでも興味を持ったら何も考えずトライしてみること。「これをやったらどうなるか」とか「過去に同じようなことで失敗した」などと考えずに、今このときに没頭することです。

4. まとめ

そもそも私たちのまわりにはストレスの種があふれています。加えて、新型コロナの影響でできなくなってしまったことが、自分にとって大切なこと、なにより楽しいことであったならば、ほかに何をしても楽しくなくなるのは当然でしょう。でも、やりたいことができなくなったからといって、自宅に引きこもっているだけでは心が病んでしまいます。今だからこそ、自分のなかに向かいがちな心の眼を外に向けてみてはいかがでしょうか?自分で少しでも興味のあることを見つけて、実現に向けて小さな目標を立ててはじめてみることをおすすめします。

監修

慶應義塾大学病院 三村 將 先生

はれそら監修医師紹介ページ

本サイトに掲載された健康情報は医師や専門家の監修したものですが、啓発を目的としたものであり、医療関係者に対する相談に代わるものではありません。治療については、個々の特性を考慮し医師等の医療関係者と相談の上決定してください。

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医療関係者に対する相談に代わるものではありません。
治療については、個々の特性を考慮し医師等の医療関係者と相談の上決定してください。

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