持田製薬グループは「人的資本の拡充」を、経営基盤を支えるマテリアリティの1つとしています。当社グループが成⻑していくために、「組織⾵⼟改⾰」、「⼈財マネジメント体制強化」、「多様な⼈財の活躍促進」を3つの柱とする施策を講じ、「独創・⾃⽴の精神でチャレンジし、イノベーションの創出と⽣産性向上をけん引・加速する⼈財」を育成していきます。当社グループは、社員一人ひとりの最大限の能力発揮を促し、継続的に企業価値を創出することを目指しています。
組織風土改革
持田製薬グループは、すべての社員が独創性と主体性を持って活躍できるよう、チャレンジする風土の醸成に取り組むとともに、社員が成長し、その能力を十分に発揮できる環境の整備を進めています。
人財マネジメント体制強化
人財マネジメント体制の強化
人財の活躍・活性化に向けて、人財マネジメント体制の強化を進めています。そのベースとするべく2023年4月に人事制度を改定しました。新しい制度では、役割や貢献度に応じた処遇反映の仕組みや、多様な人財の活躍を促進する仕組みを取り入れました。各ポジションの役割を明確化して再整理し、早期登用も可能としています。さらに、専門性を有する高年齢者の処遇も見直しました。また、グローバル展開に向けて、必要な人財の確保にも取り組んでいます。この改定した人事制度について、運用していく中で見出された課題については随時改善を加えながら、人財マネジメント体制の強化を図っていきます。
人財育成
持田製薬グループでは、人財育成を重要課題と捉え、階層別・職種別の教育を行い、社員の能力開発とリーダーの育成に取り組んでいます。階層別の研修では、一般社員に対して新入社員研修や中堅社員研修を実施し、業務知識やスキルの向上を図ることで、パフォーマンスの向上を支援しています。また、リーダーや管理職候補者の研修では、役割に応じたマネジメントやリーダーシップの養成を目的とし、イノベーション創出に寄与する人財の発掘・育成を行います。管理者研修においては、基礎力の強化に加え、戦略的なビジョンの共有やリーダーシップスキルのさらなる向上を図ります。
職種別研修では、部門ごとに専門的な知識の習得と高度な業務遂行能力の向上を目指したプログラムを展開しています。さらに、会社の中核を担う人財の育成を目的として、国内研修・海外留学制度を導入しており、毎年公募および推薦により選抜された社員が国内ビジネススクールに留学し、学位取得を通じてさらなる成長を図っています。さらに、自立した社員の育成やチャレンジする風土の醸成などを目的として、資格取得、英語力および各種ビジネススキルのスキルアップやリスキリングを支援する自己啓発支援制度も運用しています。また、効果的な教育を行うためにラーニングマネジメントシステムを活用し、人財育成を図っています。
これらの教育や研修を通して、社員一人ひとりの能力やスキルの底上げを図り、グループ全体の成長と競争力強化につなげています。

多様な人財の活躍推進
女性活躍の推進
持田製薬グループでは、女性の採用・育成を積極的に進め、女性特有の様々なライフステージをサポートする制度の整備に取り組んでいます。持田製薬の女性管理職比率については、女性活躍推進法に基づく行動計画の目標を12%以上(2021~2025年度)と定めています。この目標達成に向けて、女性管理職のロールモデルの提示や管理職候補者へのキャリアプランの作成、女性社員向けキャリア研修の実施など、女性がいっそう活躍する企業を目指して、育成や意識改革に取り組んでいます。
また、持田製薬グループの女性社員が健康でいきいきと活躍できる環境づくりを推進することも重要と考え、女性の健康支援を目的とした女性健康課題改善総合サービスを導入しています。このサービスでは、社員が婦人科医のオンライン相談・診療を利用することができます。
キャリア採用の推進
持田製薬グループが必要とする技術・知識・経験などのキャリアを有する人財や、事業の拡大、グローバル展開、戦略遂行のために必要な高度専門人財を採用し、企業価値の向上につなげています。特に次世代の柱の一つとして取り組んでいるバイオマテリアル事業については、専門人財を積極的に採用しています。なお、組織への早期定着や活躍を促すことを目的とするオンボーディングの取り組み強化も進めています。キャリア採用比率は年々増加しており、多くのキャリア採用社員が様々な部署で活躍しています。
障がい者の活躍
障がい者の雇用については、2025年6月には障害者雇用促進法に基づく特例子会社「持田ハートフルサービス株式会社」を設立するなど、持田製薬グループとして積極的に取り組んでいます。障がいを持つ社員の皆さんはサポーターとともに特例子会社を含む様々な部署で活躍しています。2025年6月1日時点での持田製薬の障がい者雇用率は2.5 %(法定雇用率2.5 %)です。
高齢者の雇用
定年を60歳とし、定年後は原則として希望する社員全員を65歳まで再雇用する制度を導入しています。2020年度にはパートタイム・有期雇用労働法の施行に対応して処遇を改定し、2023年度にはマネジメントを担うコースを設置するなど高年齢者がさらにモチベーション高く働けるように制度を整備しています。なお、55歳の従業員を対象に、今後の職業人生や資産管理など、将来設計を見直す機会としてライフプランセミナーを実施し、多様な働き方を支援しています。
働きやすい職場づくり
ワークライフバランスの推進と多様で柔軟な働き方の実現に向けて継続的に取り組んでいます。働き方改革関連法への対応(時間外労働の上限設定、管理監督者等の健康管理時間の把握など)や、フレックスタイム制の利用促進・適用範囲の外勤者への拡大、時間単位の有給休暇取得制度の導入・拡大、裁量労働制の運用、テレワークの利用範囲拡大とコミュニケーションツールの整備・充実など、社員が高いモチベーションを維持しながら、効率的に働ける環境を整備しています。また、本社ビルでは、デジタル技術の導入などを通して働きやすいオフィス環境が整備され、生産性の向上を図っています。
育児・介護支援
持田製薬グループは、仕事と育児、介護の両立を支援する環境づくりに取り組んでいます。1992年に育児休業制度を導入し、以降も法令改正に合わせて制度を拡充してきました。これまでに育児休業の一部有給化、法令を上回る介護休業制度の導入、短時間労働勤務制度の導入、妊産婦通院休暇の設定、積立有給休暇(ライフサポート休暇)の介護・看護による利用の拡大、育児短時間勤務者へのフレックスタイム制勤務の拡大、テレワークの運用、マタニティーハラスメント防止対策としての育児休業規定の改定などを行い、育児・介護支援を推進しています。
また、「持田製薬グループ子育てサポートマニュアル」、「仕事と介護の両立支援マニュアル」を作成して、社会保険との関連を含めて社員に育児・介護支援の内容を周知することにより、利用を促進しています。
育児休業取得率の目標は女性90%以上、男性30%以上(2021~2025年度)と定めています。「子育てサポートマニュアル」の周知に加えて、男性社員の育児関連制度の利用促進への取り組みなど、育児休業取得を推進しています。なお、持田製薬、持田ヘルスケア、持田製薬工場の子育て支援が「次世代育成支援対策推進法」に基づく基準を満たすものであるとの認定を厚生労働大臣より受け、次世代認定マーク(愛称「くるみん」)を取得しています。

【人財の多様性※1】
| 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | |
|---|---|---|---|
| 新卒新入社員の女性採用比率(%) | 62.2 | 52.9 | 47.1 |
| 女性管理職比率(%) | 12.0 | 11.6 | 11.8 |
| 女性育児休業取得率(%) | 100.0 | 100.0 | 100.0 |
| 男性育児休暇取得率(%) | 75.6 | 76.9 | 77.7 |
| 障がい者雇用率(%) | 2.4 | 2.4 | 2.5 |
| 中途採用比率※2(%) | 35.1 | 49.3 | 52.1 |
※1 持田製薬単体の数字
※2 労働施策総合推進法に基づく正規雇用労働者の中途採用比率
労働安全衛生
安心して働ける職場環境を目指し、当社グループ全体の安全衛生の管理・推進体制を構築しています。各事業場では安全衛生委員会の開催とあわせて、労働災害防止や職場環境の安全衛生確保に取り組んでいます。
従業員の心の健康の保持・増進に向けては、厚生労働省の「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針」に基づき、セルフケア、ラインによるケア、事業場内産業保健スタッフなどによるケア、事業場外資源によるケアの4つの観点から、従業員をサポートする体制および制度の充実を図っています。
1. セルフケア
- メンタルヘルス研修(全従業員を対象)
- 心の健康度を把握するためのストレスチェック(毎年実施)
- 社内外相談窓口の設置
2. ラインによるケア
- メンタルヘルス研修(新任管理者研修、管理者研修など)
- 人事部門によるヒアリング
3. 事業場内産業保健スタッフなどによるケア
- 産業医による健康相談
- 保健師による「こころと身体の健康相談」
- 人事部門による休職者復職の支援、仮復職制度の導入
4.事業場外資源によるケア
- 外部相談窓口、カウンセリング施設・専門医紹介
従業員エンゲージメント
持田製薬グループは、従業員エンゲージメントなどの把握を目的として、全従業員を対象に毎年従業員調査を実施しています。調査結果は公開するとともに、課題の早期発⾒とモラールアップに向けた施策の検討・実施に活⽤しています。また、経営判断や現場改善を通じて従業員エンゲージメント向上につなげています。さらに、仕事や職場に対する意⾒や要望の収集、悩みや課題を抽出し、相談に応じるヒアリングを⾏うなど、よりいっそう働きがいのある会社・職場を目指した取り組みを進めています。



