女性の悩みをちゃんとケア:ワタシのカラダ相談室

文字サイズ

監修:愛知医科大学病院 産科・婦人科 主任教授 若槻 明彦先生生

TOP
ワタシのカラダケア用語集

ワタシのカラダケア用語集

女性の健康を考える上で、基本的なしくみや知っておくとよい言葉を簡単に解説しています。

女性ホルモンとは

女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類があります。

女性ホルモンは卵巣から分泌されています。その卵巣に指令を出しているのは脳です。

性ホルモン分泌のしくみ

全身に作用するエストロゲン

女性ホルモンは月経や妊娠などの生殖活動に関わっていますが、特にエストロゲンは全身に作用し、女性の心身に大きな影響を与えています。生涯を通じて健康で充実した日々を過ごすためには、身体の変化と女性ホルモンの関係を知っておくことが必要です。

女性ホルモンは私たちの体を守っています。

月経とは

※生理のことを医学用語では「月経」といいます。

女性ホルモンの働きによって周期的に繰り返され、限られた日数で終わる子宮からの正常な出血のことです。排卵がおこると体は受精の準備を始めます。子宮内では、精子と出会って(受精して)できた受精卵が着床(妊娠)しやすいように、子宮の内膜がフカフカになってきます。着床しなかった場合は、フカフカに厚くなった子宮の内膜がはがれ落ち、血液とともに体の外へ押し出されます。これを月経といいます。

月経とは

月経痛がおこるしくみ

月経痛には、痛みのもととなるプロスタグランジンという物質が影響します。排卵がおこり、体が受精の準備を始めると、フカフカになった子宮の内膜からプロスタグランジンがつくられます。プロスタグランジンは、子宮の内膜がはがれ落ちるときに増え、子宮を収縮させて、血液(経血)を押し出すはたらきがあります。 
プロスタグランジンが過剰につくられると、子宮が激しく収縮するので、月経痛がひどくなります。また、プロスタグランジンは血管の収縮や胃腸にも影響するので、月経中に頭痛や胃痛、腹痛がおこります。

月経痛のメカニズム

月経前症候群(PMS)、月経前不快気分障害(PMDD)

月経の前に、肌荒れやイライラなど、何らかの体の不調や不快な気分を経験したことはありませんか。月経前3~10日間の精神的あるいは身体的症状で、のぼせ、イライラ、下腹部痛、乳房痛などがあります。このような症状を月経前症候群(PMS:Premenstrual Syndrome)といいます。PMSでは体の不調が多いのに対し、不快な気分や情緒不安定など精神的な症状が強くあらわれることがあります。これは月経前不快気分障害(PMDD:Premenstrual Dysphoric Disorder)といいます。

PMSやPMDDの原因ははっきりとはわかっていませんが、プロゲステロンの急激な変動が原因の一つと考えられています。

PMSやPMDDの症状があらわれたときは、運動や食事に気をつけたり、薬局で購入した薬を利用してみるなど自分で対処できることもありますが、症状がひどい場合は、婦人科を受診しましょう。

女性ホルモン分泌量・月経周期