INTRODUCTION 女性の老年期には閉経後からエストロゲンが
急激に乏しくなることで、生じやすい病気があります。

閉経後は、人生のセカンドステージです。
寿命が延びたことで、エストロゲンの恩恵を受けないセカンドステージの期間もぐんと長くなりました。
十分に健康に留意して、セカンドステージを楽しみましょう。

DISEASE エストロゲンの減少による主な症状と病気

エストロゲンが減少すると、皮膚、骨、血管に影響を及ぼします。そのため 萎縮性腟炎 、骨粗鬆症、 脂質異常症 や動脈硬化といった病気になるリスクが高くなります。

閉経によるエストロゲンの低下は
ウイメンズヘルスに大きく影響する
エストロゲンの減少による主な症状と病気
田口 誠,久保田 俊郎:CANCER BOARD of the BREAST 1(2) 59, 2015

DYSLIPIDEMIA 脂質異常症について

血液中の脂質であるLDLコレステロールや中性脂肪が多くなり、HDLコレステロールが少なくなる状態を脂質異常症といいます。過剰なLDLコレステロールが血管内にたまり、血管が狭くなったり血管の弾力性が失われたりすることを動脈硬化といいます。動脈硬化が進むと、脳梗塞や心筋梗塞などの深刻な病気を引きおこします。

エストロゲンはLDLコレステロールが増えないように、HDLコレステロールが減らないようにはたらき、血管を動脈硬化から守っています。エストロゲンの欠乏によって動脈硬化が進まないように、十分に気をつける必要があります。

ATROPHIC VAGINITISAT 萎縮性腟炎について

腟の粘膜が薄くなり(萎縮)、内部の細菌が変化し引きおこされる病気です。 エストロゲン欠乏により、腟の粘膜にうるおいがなくなり、腟の壁が乾燥します。また細菌が増えやすくなり、腟の自浄作用がはたらかなくなることで腟炎がおこりやすくなります。

萎縮性腟炎の画像

ABOUT 萎縮性腟炎の症状について

主な症状は、腟の乾燥、性交痛、腟・外陰のかゆみ、頻尿、出血などです。
これらの症状は、閉経後の女性なら誰でもおこり得ますが、症状があっても気にならないこともあります。気になる症状があったら、一人で悩まずに婦人科を受診しましょう。

TREATMENT 萎縮性腟炎の治療について

HRTやエストロゲンの腟坐剤による治療を行います。また、細菌などによる感染症が疑われる場合は、抗生物質入りの腟錠を用いることもあります。

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