「バイオ医薬品」は、どんなお薬ですか?
微生物や培養細胞などの生物を利用してつくられるお薬です。
「バイオ(bio)」とは、「生命、生物」を意味する英語です。バイオ医薬品とは、「生物を利用してつくられるお薬」のことで、薬の有効成分となるタンパク質を生物の中で産生させることによりつくられます。
なぜ生物を利用するのかというと、一般的なお薬の製造方法である化学合成では、タンパク質をつくり出すことが非常に難しいからです。
バイオ医薬品の製造には、微生物(例:大腸菌)や培養細胞(例:ほ乳動物の細胞)が利用されます。
たとえば、大腸菌を用いて製造する場合、まず「遺伝子組換え」によって、お薬の有効成分となるタンパク質を産生することができる大腸菌をつくり出します。この大腸菌をたくさん増やして(培養)タンパク質を大量に産生させ、不純物を取り除いて目的のタンパク質のみを取り出す(精製)ことでバイオ医薬品がつくられます。
バイオ医薬品の製造方法(大腸菌を用いて製造する場合)
*1 発現ベクター:目的のタンパク質を発現させるための遺伝子を大腸菌に導入する際に、運び屋の役割を果たすDNA。
*2 クロマトグラフィー:複数の成分が混ざっている培養液や懸濁液から、分子の大きさや吸着力・電荷などの違いを利用して成分ごとに分離する方法。