研究

創薬研究

持田製薬の創薬研究は、これまでの組織・体制と戦略を大きく見直し、新たなスタートを切りました。特に、「核酸医薬」に集中的に取り組んでおり、アンメットメディカルニーズを満たす革新的な新薬の創製を進めています。
総合研究所では主に化合物の合成と生物学的な評価を行い、製剤研究所では製剤検討とCMC研究を実施しています。競争力のある研究体制を築くべく、高い専門性を持つ人材の採用を積極的に進め、研究基盤の強化を図っています。また、核酸医薬の合成に高い技術力を持つ日産化学株式会社と連携して研究開発をさらに加速するとともに、生産基盤の構築を進めていきます。核酸医薬が持つ優れた特性を最大限に活かし、これまでにない独創的な医薬品を創製するべく、全研究員が一丸となって取り組んでいます。

核酸医薬

核酸医薬は、近年、急速に発展している新しい医薬品モダリティであり、大きな注目を集めています。その最大の特徴は、低分子医薬や抗体医薬といった従来の医薬品モダリティが作用することのできない標的分子も相手にできる点です。核酸医薬は、mRNAなどのRNA分子に特異的に結合して分解することにより、そのmRNAが産生するタンパク分子を消失させることができます。低分子医薬や抗体医薬が作用できるタンパク分子は、特定の構造を持つもののみに限られています。そのため、様々な疾患の標的となりうる多くの有用なタンパク分子が、低分子や抗体医薬では狙うことができない標的(undruggable target)として手つかずのまま残っていると考えられています。核酸医薬は、それらの標的分子も相手にすることができるため、これまでに創製が不可能であった疾患に対する薬を作ることができると期待されています。

核酸医薬

低分子医薬、抗体医薬は、特定の構造を持つタンパク分子(低分子医薬:黄色のタンパク分子、抗体医薬:ピンク色のタンパク分子)のみに作用することができる。核酸医薬は、タンパク分子の構造とは無関係に、すべての種類のmRNA(黄緑色)に作用することができる。そのため、低分子医薬や抗体医薬が作用することができなかった標的分子(青色・紫色・緑色のタンパク分子)も相手にすることができ、標的分子の可能性(ターゲットスペース)を拡大することができる。

オープンイノベーション

各種アカデミアとの共同によるオープンイノベーションにも積極的に取り組んでいます。

九州大学
26大学

九州大学の先端医療オープンイノベーションセンター内に「創薬アセット応用共同研究部門」を設置し、共同研究事業を行っています。本部門は「橋渡研究推進部門」と連携することにより、九州大学を含めた26大学からなる「西日本橋渡し研究ネットワーク」(West Japan Academia Translational Research Network:WAT-NeW)からの橋渡し研究情報にアクセスし、有望な創薬シーズや創薬技術の取り込みを行っています。

MOIRe(モアレ)

「MOIRe(モアレ)」は、アカデミアの研究者の皆様が持つ有望な創薬シーズや創薬技術について、国内外を問わずに広く公募し、弊社との共同研究により医薬品開発につなげる公募プログラムです。これまでに寄せられた多くのアイデアに関して、国内・海外のアカデミアの研究者様との共同研究を推進しています。

再生医療等製品

再生医療等製品の分野においては、間葉系幹細胞を用いたプロジェクトに優先的に取り組んでおり、ヒト歯髄幹細胞SHED、高純度間葉系幹細胞REC、臍帯由来の細胞医薬品「HLC-001」を用いた治療法の開発を進めています。

歯髄幹細胞SHED

歯髄幹細胞SHED(Stem cells from Human Exfoliated Deciduous teeth)は、歯の内部の歯髄腔から採取される間葉系幹細胞です。国内で安定供給可能な再生医療等製品の原料として今後の活用が期待されています。当社は、ヒト歯髄幹細胞を保有するキッズウェル・バイオ株式会社と共同で、事業化に取り組んでいます。

高純度間葉系幹細胞REC

高純度間葉系幹細胞REC(Rapidly Expanding Cells)は、PuREC株式会社が確立した独自の方法によって、ヒト骨髄液から分離・精製された高純度の間葉系幹細胞です。従来法で分離したものと比べて、増殖能・分化能・遊走能などに優れた特徴を持っています。

臍帯由来の細胞医薬品「HLC-001」

「HLC-001」は、胎盤と胎児をつなぐ組織である臍帯(へその緒)から得られる細胞を活用した細胞医薬品です。当社は、本製品を用いた複数の難治性疾患を対象とした研究開発に取り組んでいるヒューマンライフコード株式会社と共同で、事業化に取り組んでいます。

開発状況一覧

(2024年5月13日現在) [医薬品]
開発コード
<一般名>
[製品名]
開発段階 予定適応症 剤型 備考
ACT-541468
<ダリドレキサント塩酸塩>
申請中 不眠症 経口剤 ネクセラファーマジャパン(株)(旧イドルシアファーマシューティカルズジャパン(株))と共同開発
MD-711
<トレプロスチニル>
[トレプロスト吸入液]
申請中 間質性肺疾患又は気腫合併肺線維症に伴う肺高血圧症 吸入剤 ユナイテッド・セラピューティクス社から導入
自社開発
MD-0901
<メサラジン>
[リアルダ]
臨床第Ⅲ相 潰瘍性大腸炎
(小児適応)
経口剤 武田ファーマシューティカルズU.S.A.社から導入
自社開発
FYU-981
<ドチヌラド>
[ユリス]
臨床第Ⅲ相 痛風・高尿酸血症(小児適応) 経口剤 (株)富士薬品と共同開発
MND-21
<イコサペント酸エチル>
[エパデール]
臨床第Ⅲ相 高トリグリセリド血症 経口剤 開発地域:中国
住友制葯(蘇州)と提携
[医療機器]
開発コード又は一般的名称 開発段階 予定する使用目的又は効果 備考
dMD-001 申請中 関節軟骨損傷 アルギン酸ゲル
自社開発
dMD-002 探索的治験 海綿体神経損傷 アルギン酸シート
自社開発
dMD-003 検証的治験 術後の癒着 アルギン酸シート
自社開発
Nerve Cuff 申請中
(510(k))
末梢神経損傷 開発地域:米国
アルギン酸シート
自社開発

研究開発組織の概要

研究本部に研究企画推進部、創薬研究所が属する。医薬品開発本部に開発企画推進部、開発研究所、医薬開発部、製剤研究所、メディカルアフェアーズ部が属する。

研究倫理委員会

公的研究費の運営・管理および研究不正への取組み