子宮内膜の細胞の一部が増殖して盛り上がり、根元に茎がある丸いキノコのような形になったものが子宮内膜ポリープです。大きさは1cm以下の小さなものから、10cmを超えるものまで、さまざま。良性の腫瘤で、子宮内膜がんに悪化することはまずないとされています。症状も出ないことが多いのですが、不正出血や月経過多、貧血が起こる場合もあります。また、子宮内膜ポリープがあると、受精卵の着床の邪魔になって不妊の原因になりやすいことがわかっています。
自覚症状がほとんどないため、検診などで超音波検査、MRI検査などを行ったときに、たまたま見つかる場合が多いようです。できている場所や大きさによっては、子宮筋腫と紛らわしい場合もあり、より詳しく診断するためには子宮鏡検査が有効です。ごく小さなポリープは、超音波検査などでは見つかりにくいため、原因不明の不妊で悩んでいる場合には、子宮内膜ポリープの可能性を疑って、早めに検査を受けたほうがいいでしょう。
自覚症状がなければ、あわてて治療をする必要はありませんが、悪性との鑑別が必要な場合には早めに手術で摘出します。子宮内膜ポリープは薬物療法では治療できないと考えられています。また、月経過多などの症状がある場合や、不妊の原因である可能性がある場合にも手術を行います。
手術といっても、腟から子宮鏡をのぞきながら行うもので、お腹を切ったりする必要はありません。器具で根元をはさんで引っ張るだけで、摘出できます。局所麻酔または全身麻酔で行われます。たいていの場合入院して処置を行いますが、処置用の鉗子を装備できる細い子宮鏡がある病院では外来で処置をすることも可能な場合があります。