Q7 持続静脈内投与療法で、特に注意しなければならないことは?
A7
●特に注意しなければならないこと
最も注意しなければならないのはカテーテル感染です。感染を予防するためには、手洗いや作業台の消毒をていねいに行って、薬液の調製やカセット、フィルター付延長チューブの交換を行う際には常に清潔な操作を心がけてください。また、カテーテル挿入部を常に清潔に保ち、入浴やシャワーの際にカテーテルやフィルター付延長チューブの接合部、フィルター部分を食品用ラップなどで保護し、水に濡らさないようにすることも重要です。
●カテーテル感染
カテーテル感染には、皮膚のカテーテル挿入部に細菌が繁殖して起こるトンネル感染と、カテーテルを介して血液中に細菌が侵入する血流感染があります。トンネル感染の場合、カテーテル刺入部からカテーテルにそって、発赤(皮膚が赤くなる)、痛み、腫れ、滲出液(じくじくした液が出る)、膿(うみ)などの異常がみられたり、肩に痛みが現れます。血流感染の場合、全身のだるさや寒気、発熱などの全身症状が起こります。また、重くなると敗血症という命を脅かす状態になることもあります。

●在宅療法での作業
自宅で行う主な作業は、次の3つです。
- (1)薬液の調製とポンプ・カセットの交換
- (2)フィルター付延長チューブの交換
- (3)カテーテル挿入部の消毒
●作業頻度の目安
下表の通りです。
薬液の調製とポンプ・カセットの交換 | 2日に1回 (ポンプは2台以上用意し、交互に使用してください) |
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フィルター付延長チューブの交換 | 4日に1回 |
カテーテル挿入部の消毒 | 1~3日に1回、適宜 (入浴後は必ず実施し、常に清潔に保つ) |
●薬剤の保存および取り扱い
以下の3点を守ってください。
- (1)調製(希釈)後の薬剤は48時間以内に投与を終了してください。
- (2)薬液交換時に、古い薬液に新しい薬液を追加しないでください。
- (3)使い始めた薬液のビンは30日以内に使用してください。