Q11 持続静脈内投与療法では、どんな時に主治医(医療機関)に連絡するの?

A11

カテーテル感染、カテーテル・チューブのトラブル、体調の異変、
副作用(症状が強い場合)が生じた場合には、主治医(医療機関)に相談してください。

●カテーテル感染の症状

最も注意すべきトラブルはカテーテル感染です。カテーテルには細菌がつきやすく、感染症を起こしやすいため、在宅での作業は清潔に行う必要があります。以下のような症状が現れた場合は、カテ-テル感染の可能性がありますので、直ちに医療機関に連絡して、指示に従ってください。

カテーテル感染が疑われる症状

  • 高熱が出る、寒気がする
  • カテーテル挿入部の発赤、痛み、腫れ、滲出液(じくじくした液が出る)、膿(うみ)

●カテーテル・チューブのトラブルと対処法

カテーテルやチューブにトラブルが生じ、一時的にトレプロスト®注射液を投与できなくなっても、すぐに効果がなくなるわけではありません。あわてずに落ち着いて対処しましょう。また、対処しきれない場合や、心配な時は主治医に連絡しましょう。なお、一時的にトレプロスト®注射液を中断したからといって、ポンプの投与流量を速めることは絶対にしないでください。

カテーテル・チューブのトラブルと対処法

トラブル 原因 対処
カテーテル内で血液が固まって閉塞し、薬液が注入できない。 血液の逆流など。 最寄りの救急病院を受診する。
その後、主治医に連絡する。
カテーテルが傷つき、薬液が漏れだした。 カテーテルに強い力が加わった。 ポンプを停止する。薬液が漏れ出している前後の部分のクランプを止め、最寄りの救急病院を受診する。その後、主治医に連絡する。
カテーテルが抜けた。 カテーテルに強い力が加わった。 直ちに挿入部を滅菌ガーゼで圧迫し、最寄りの救急病院を受診する。その後、主治医に連絡する。
チューブの接続部がはずれた。 接続部がゆるんでいた。 ポンプを停止する。新しいチューブとカセットに交換する。はずれた直後に発見し、清潔な状態であれば、アルコール消毒綿で接続部を消毒し、再度接続しても良い。

●体調の異変の原因と対処法

以下のような体調の異変を感じたら、ポンプやチューブに原因がある場合がありますので、あわてずに原因を探してください。原因がわからない場合や、対処しても体調が改善しない場合は、主治医に連絡してください。

体調の異変の原因と対処法

体調の異変 原因 対処
顔が赤くなる
顔が青くなる
脈拍を強く感じる
めまいがする
ふらつく
ポンプが停止している。 ポンプを始動する。
カセット内に薬液がない。 直ちに薬液を調製し、カセットを交換する。
チューブが閉塞している。 チューブが折れ曲がっていれば元に戻し、クランプが止められていればはずすなど、チューブの閉塞状態を解除する。
血液が逆流している。 チューブの接続部が緩んでいないか確認する。ポンプやチューブに異常が見つからない場合、ポンプを停止し、カテーテルをクランプで止め、最寄りの救急病院を受診する。その後、主治医に連絡する。
ポンプの設定が間違っている。 設定をなおす。

●トレプロスト®注射液の副作用とその対処法は?

トレプロスト®注射液の投与中、特に増量中に、次のような副作用が現れることがあります。症状が強い場合は、主治医に相談してください。

トレプロスト®注射液の副作用とその対処法

副作用 対処・注意すべきこと
頭痛 症状が続く場合は主治医に相談する。市販の鎮痛薬を服用する場合は主治医に確認してから服用する。
下痢 症状が続く場合は主治医に相談する。市販の下痢止めを服用する場合は主治医に確認してから服用する。
皮膚の赤み、ほてり 直射日光を避ける。
あごの痛み やわらかい食事を取る。冷たいものや熱いものは刺激になるので、適温にしてから食べる。
むくみ、だるさ 症状が強い場合は、主治医に相談する。
吐き気 症状が続く場合は、主治医に相談する。
めまい、血圧低下 急に立ち上がることを避け、しばらく安静にする。症状が続く場合は、主治医に相談する。
足の底の痛み 症状が強い場合は、主治医に相談する。