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便秘とお薬の情報マガジン
その便秘、そのままにしますか?
今日から始める便秘治療
3つのステップで
便秘のことを知ろう
-
- 便秘の症状を
理解しよう!
-
- 便秘の原因を
知ろう!
-
- 便秘の治療を
始めよう!
便秘の症状を理解しよう!
「便秘」には大きく分けると2つの状態があります。
十分な量の便が排出されなくなった「排便回数や排便量が減少」した状態と、
トイレでスムーズに便が出なくなった「排便困難」を感じる状態です。
もちろん、この2つが混在することもあります。
また、排便回数が十分にあっても排便困難感や残便感などの便排出障害の症状が
複数ある場合も便秘の状態とされます。
つまり、本来あるべき生理的で順調な排便が失われた状態が「便秘」です。
便秘の主な症状
- 排便が週に3回未満
- 硬い便、または兎糞状便
(ブリストル便形状スケール1、2、下図参照) - 便の量が少ない
- 排便後の残便感
- おなかが張る
- 腹痛・下腹部の不快感
- 強くいきまないと排便できない、または、
いきんでも排便できない
便秘を病気として認識せず、ご自身の判断で市販薬などによる治療を繰り返す、
「かくれ便秘」に悩む人も少なくありません。
まずは「便秘」を知ることが大切です。
正しい生活習慣を心がけ、ここちよい毎日をめざしましょう。
気分爽快!
キレイな便の形をめざそう!
毎日の便の状態をチェックすることが便秘改善の第一歩。
めざすのは表面がなめらかでやわらかい、『バナナ状』の便です。
○ブリストル便形状スケール(便の形と硬さの評価)
Lewis SJ, et al.:Scand J Gastroenterol
1997;32:920-924より改変
便秘の原因を知ろう!
大腸の動きや形が変化することで便秘になります。
便秘は、大腸の異常の原因によって2つのタイプに分類されます。
一般的な便秘の多くは機能性便秘と考えられています。
- 機能性便秘
-
大腸の形は正常でも
腸の機能が低下することで
便秘になります。
- 器質性便秘
-
何らかの原因で
大腸の形自体が変化してしまうことで
便秘になります。
便秘の原因には生活習慣や
ストレスなどが
関係しています。
食事の量が少なかったり、運動不足だと便秘になりやすいと考えられています。
精神的なストレスも便秘を引き起こす大きな要因であることが知られています。
また、大腸の動きが悪くなったり、便を出そうといきんだ時に
直腸の筋肉をうまくゆるめることができなくなると、便秘が起こりやすくなります。
この他、何らかの病気の治療薬で便秘になることもありますし、
まれに、大腸がんなどの腸の病気が原因で便秘になることもあります。
便秘の治療を始めよう!
正しい生活習慣を心がけましょう
便秘を改善するための第一歩は、食習慣や生活習慣を見直すことです。
これは便秘の治療だけでなく、再発の予防にもつながります。
食習慣を見直しましょう
- しっかり3食とる(特に朝食は大切)
- 適度な水分をとる
- 食物繊維が多く、
脂肪分が少ない食事を - 腸内細菌バランスを改善する
- 電解質やビタミンをとる
生活習慣を見直しましょう
- 生活リズムは規則正しく
- 睡眠時間は十分に
- 便意が起きたら我慢せず、
すぐトイレへ - 適度な運動をし、その後は休息を
- 自分の時間をつくり、
リフレッシュする
便秘薬を正しく服用しましょう
便秘薬にはさまざまな種類があります。
ご自身の判断で市販薬を常用し、症状を悪化させてしまう方も少なくありません。
医師の指示に従い、症状に合ったお薬を処方してもらいましょう。
- 主な便秘薬の種類
- 主な作用
- 膨張性下剤
- 腸内の水分を保ち、便の形状を整え、
便の量を増やします。
- 浸透圧性下剤
- 腸内の水分量を増やし、便をやわらかくし、
排便回数を増やします。
- 刺激性下剤
- 大腸の神経に作用し、
腸の動きを活発にします。
- 上皮機能変容薬
- 腸内の水分分泌を促し、
便をやわらかくします。
-
漢方薬
or
- 患者さんの状態や、便秘の症状により、
適した漢方薬が処方されます。
-
IBAT* 阻害剤
- 腸内の水分分泌と腸の動きを活発にし、
排便を促します。
*IBAT=ileal bile acid transporter, 胆汁酸トランスポーター
腸内の水分を保ち、
便をやわらかくする作用
腸の動きを活発にして、
排便を促す作用

みんなよく便秘っていうけど、
そもそも便秘って?
便秘とは「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」のことです。
便秘は男性よりも女性に多くみられ、特に女性は若いうちから便秘に悩む人が多くいます。
○国内における便秘の自覚症状がある人(有訴者)の割合

「平成28年国民生活基礎調査」(厚生労働省)
(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/
k-tyosa/k-tyosa16/index.html)
日本人の成人の約14%の人が便秘を感じていると報告されています。
便秘は加齢にしたがい増加がみられますが、
医療機関を受診せずに市販薬で対処している方も多いため、
実際にはもっと多くの方が便秘を感じていると推測されます。

中島 淳 著:寿命の9割は「便」で決まる,
SBクリエイティブ, 2018, p. 20-21