その他の子宮の病気

子宮筋腫

子宮筋腫とは子宮にできる良性の腫瘍(こぶのようなしこり)のことです。
ほとんどは無症状なのですが、症状がある場合は月経期間が長くなったり、月経時の出血量が多くなったり、不正性器出血が頻繁に起きたりするほか、強い月経痛が起きたりします。
最近では超音波検査の精度の向上により小さい筋腫も見つかることがありますが、自覚症状のないまま筋腫が大きくなっている場合もあります。
ホルモン薬、鎮痛薬、手術による治療を症状や進行具合、年齢や妊娠を希望するかなどを総合的に判断し、最適な治療法が選択されます。

ワタシのカラダ相談室「子宮筋腫について」

月経困難症

日常生活に支障が出るほどの重い月経痛のことです。
月経痛は多くの女性が経験するものですが、ひどい痛みのために毎月寝込んでしまったりするような辛い場合には、月経困難症である可能性があります。
痛みの原因が子宮筋腫、子宮内膜症といった病気が隠れている「器質性月経困難症」と特に原因となる病気の見当たらない「機能性月経困難症」があり、ホルモン薬、鎮痛薬、鎮痙薬(ちんけいやく)、漢方薬等による治療が行われます。

ワタシのカラダ相談室「月経困難症について」

子宮腺筋症

子宮内膜に似た組織が何らかの原因で子宮筋層内にでき、増殖する病気のことです。
月経痛、過多月経やそれによる貧血、骨盤痛などがみられます。
子宮内膜症の70〜80%に合併する疾患で、合併した場合には、子宮全体が大きくなり、子宮内膜の面積が広くなるので出血量が多くなります。レバーのようなかたまりが出たり、ナイト用のナプキンを使っても1時間ももたないという人は子宮腺筋症の可能性があります。
月経を重ねるたびに症状が増強していくので、早いうちから医師に相談することが大切です。症状や進行具合、年齢や妊娠を希望するかなどを総合的に判断し、鎮痛薬や鎮痙薬(ちんけいやく)、ホルモン薬により治療したり、手術による治療などを考慮することもあります。

ワタシのカラダ相談室「子宮腺筋症について」

子宮頸がん

子宮の入り口付近の子宮頸部にできるがんです。
初期には自覚症状がほとんどありませんが、セックスのあと出血することがあります。
セックス経験者は誰でもかかる可能性があるため定期検診で早期に発見することが重要です。
子宮頸部の内側を綿棒等でこすり細胞を採取する簡単な検査が行われ、がんであっても子宮を摘出しない手術で治療できることがあります。

子宮体がん

子宮の内側を覆っている子宮内膜に発生する、がんです。
初期に起こる典型的な自覚症状は不正出血。子宮頸がんと違い、セックスなどと無関係に起こるのが特徴です。
チューブやブラシで子宮内膜細胞の一部を採取する検査を行い、治療は原則子宮摘出術となりますが、ごく早期であれば妊娠を希望する若い女性に対して子宮を温存する内分泌療法を行っている病院もあります。

子宮内膜増殖症

子宮の内側を覆っている子宮内膜が異常に厚くなってしまう病気です。
自覚症状は、過多月経、月経痛、不正出血、月経不順など。
過多月経が続くと貧血や体がだるく疲れやすい、動悸がするなどの症状が現れます。
子宮の中に分厚くなった子宮内膜がいつまでもとどまっていると、次第に悪性化して子宮内膜がん(子宮体がん)に移行する可能性があるので注意が必要です。

子宮内膜ポリープ

子宮内膜ポリープは子宮内膜の細胞の一部が増殖して盛り上がり、根元に茎がある丸いキノコのような形になったもので、悪性化することはまずないとされています。
症状も出ないことが多いのですが、不正出血や過多月経、貧血が起こる場合もあります。
受精卵の着床の邪魔になり不妊の原因になりやすいことがわかっています。
症状が出たり不妊の原因となっている場合は、腟から子宮鏡をのぞきながら器具で切除する手術が行われます。

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「痛み」には相談方法があります。「痛みノート」をつけましょう!

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