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日本産科婦人科学会・日本更年期医学会 ホルモン補充療法ガイドライン(2009年度版)

日本産科婦人科学会・日本更年期医学会 ホルモン補充療法ガイドライン(2009年度版)

目次

3.ホルモン補充療法の特色と施行上の一般的注意点(P4)

Pointエストロゲンは複数の製剤があり、投与ルートも異なりベネフィットやリスクの発現は同一ではないことが紹介されています。

  • HRTは症状の緩和や疾患の治療を目的とするもの、あるいは無症状の閉経後女性においてエストロゲン欠落に伴う諸疾患のリスク低下やヘルスケアーを目的として行うものの2つの側面をもつ。HRTの開始に当たっては、まずきちんとした目的を認識すべきである。

HRT:ホルモン補充療法

詳細はこちらをご覧ください

4.HRTに期待される作用・効果はなにか? (P6)
1)更年期症状緩和

Point経皮投与されたエストロゲン製剤がホットフラッシュを緩和することが紹介されています。

4.HRTに期待される作用・効果はなにか? (P6)

2)骨吸収抑制・骨折予防(P8)

Pointエストロゲンは、骨吸収を抑制し、骨密度を増加させることが紹介されています。

2)骨吸収抑制・骨折予防(P8)

3)脂質代謝改善(P10)

Point脂質代謝改善における経皮エストロゲンのメリットが紹介されています。

3)脂質代謝改善(P10)

7)皮膚萎縮予防(P21)

Pointホルモン補充療法のコラーゲン増加や皮膚組織への期待されうる効果について紹介されています。

7)皮膚萎縮予防(P21)

5.HRTに予想される有害事象はなにか?(P35)
7)血栓塞栓症(venous thromboembolism,VTE)

Point経皮吸収エストロゲン剤では、血栓塞栓症のリスク増加における明らかなエビデンスはないと紹介されています。

5.HRTに予想される有害事象はなにか?(P35)

6.HRTの禁忌症例と慎重投与例は?(P41)

Pointホルモン補充療法の投与にあたって、禁忌や慎重投与となる症例について紹介されています。

[禁忌症例]

  • 重度の活動性肝疾患
  • 現在の乳癌とその既往
  • 現在の子宮内膜癌、低悪性度子宮内膜間質肉腫
  • 原因不明の不正性器出血
  • 妊娠が疑われる場合
  • 急性血栓性静脈炎または血栓塞栓症とその既往
  • 冠動脈疾患既往者
  • 脳卒中既往者

[慎重投与ないしは条件付きで投与が可能な症例]

  • 子宮内膜癌の既往
  • 卵巣癌の既往者
  • 肥満者
  • 60歳以上の新規投与
  • 血栓症のリスクを有する症例
  • 慢性肝疾患
  • 胆嚢炎および胆石症の既往者
  • 重症の家族性高トリグリセリド血症
  • コントロール不良な糖尿病
  • コントロール不良な高血圧
  • 子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症の既往者
  • 片頭痛
  • てんかん
  • 急性ポルフィリン血症

8.投与前・中・後の管理法(P55)

Pointホルモン補充療法にあたり、投与前・投与中および投与後に行うべき問診内容や検査について紹介されています。

8.投与前・中・後の管理法(P55)

◆表5 HRT投与前、中、後の管理法

投与前

  • ○HRTの目的の確認(治療か、予防か?)
  • ○問診にて禁忌のない事を確認
  • ○HRT投与法の選択
  • ○投与前検査

<必須項目>

  • ●血圧、身長、体重
  • ●血算、生化学検査(肝機能、脂質) 1)
  • ●内診および経腟超音波診断、子宮頸部細胞診(1年以内の)、子宮内膜癌検診 2)
  • ●乳房検査 3)

<選択項目>

以下の項目はオプション検査として考慮しても良い。

  • ●骨量測定
  • ●心電図
  • ●凝固系検査 4)
  • ●心理テスト
  • ○Informed consent

投与中(毎回)

○問診:マイナートラブルを含めた症状の聴取 5)

投与中(年に1〜2回)

  • ○HRT継続について検討
  • ○投与中検査
    • ●血圧、身長、体重
    • ●血算、生化学検査(肝機能、脂質) 1)

投与中(1年毎)

  • ○投与中検査
    • ●内診および経腟超音波診断、子宮頸部細胞診、子宮内膜癌検診 6)
    • ●乳房検査 3)

投与終了後(1〜2年毎)

  • ○投与後検査(HRT中止後5年までは乳房検査および婦人科癌検診を勧める)
    • ●内診および経腟超音波診断、子宮頸部細胞診、子宮内膜癌検診
    • ●乳房検査
  • 1) ALT、AST、LDH、T-Chol、TG、HDL-C、LDL-C(間接法でも可とする)、(F)BS、Ca、γGTP、ALP、CPK、Crはオプションとする。
  • 2) 原則的には子宮内膜細胞診(組織診)を行う。病理学的検索が不可能な場合には経腟超音波診断法で子宮内膜厚を測定する。 閉経後症例で5mm以上の場合は子宮内膜癌の疑いがあるので精査を行う。
  • 3) 触診および画像検査(マンモグラフィー、または超音波診断)を行う。
  • 4) 検査することが望ましいが、血栓症を予測できる特異的なマーカーは現在のところ無い。
  • 5) 出血の状態(長期間、もしくは多量の出血を認めた場合は適宜子宮内腔検査)
  • 6) HRT中は子宮内膜厚を子宮内膜癌の予測には使用できない。

9.HRT適応と管理のアルゴリズム(P59)

PointHRT適応のアルゴリズムとして、HRTを考慮できる症例の判別および副作用チェックや効果判定などの管理について紹介されています。

9.HRT適応と管理のアルゴリズム(P59)
9.HRT適応と管理のアルゴリズム(P59)

10.付記(P61)

PointHRTは閉経後女性のQOLの維持や改善に有用性が高いことから、委員会で、閉経後女性に特徴的な病態や疾患に対するHRTの有用性について検討を行った結果が参考意見として記載されています(保険適応上とは異なります)。

状態 有用性 参照頁
血管運動神経症状 A  
更年期の抑うつ症状 B  
それ以外の更年期症状 C  
アルツハイマー病の予防 C  
尿失禁の治療 D  
萎縮性腟炎・性交痛の治療 A  
骨粗鬆症予防 A  
骨粗鬆症治療 A  
脂質異常症の治療 B  
動脈硬化症の予防 C  
皮膚萎縮の予防 B  
A:有用性がきわめて高い
B:有用性が高い
C:有用性がある
D:有用性の根拠に乏しい
E:有用ではない

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