持田製薬株式会社

あなたの骨は大丈夫?骨粗鬆症

監修:独立行政法人労働者健康安全機構 山陰労災病院 副院長 萩野 浩 先生

骨粗しょう症とは、どのような病気ですか?
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わたしたちの骨の量は、成長に伴ってどんどん増えていき、20歳前後でピークを迎えます。
その後、年齢を重ねるにしたがって骨の量は減少しやすくなるのですが、減少の程度は人それぞれです。
骨の量が減少して弱くなり、骨折しやすくなった状態のことを、骨粗しょう症といいます。
骨粗しょう症になると、それだけでは痛みなどの症状はないものの、転んだり、尻もちをつくなど、ちょっとしたはずみで骨折を起こしやすくなります。
骨折を起こしやすい場所は、背中・腰、太ももの付け根、手首などです。特に背中・腰の骨がつぶれるように骨折(圧迫骨折といいます)してしまった場合、背中や腰が痛くなったり、背中が丸くなったり、身長が縮んだりします。骨折が、寝たきりの原因になることもあります。
どのような人が骨粗しょう症になりやすいのですか?
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骨粗しょう症は男性よりも女性に起こりやすい病気です。骨の量は女性ホルモンや老化と関係が深く、閉経を迎えて女性ホルモンが減少すると骨の量も減少するため、骨粗しょう症は閉経後の高齢女性に特に多くみられます。
また、関節リウマチや糖尿病などの病気や、ステロイド(塗り薬以外の飲み薬や注射薬)などのお薬が原因で骨粗しょう症になることもあります。
なぜ骨の量が減少するのですか?
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骨の表面には、古い骨を壊す「破骨細胞」と、新しい骨をつくる「骨芽細胞」が存在しており、これらがバランスよく働くことで新陳代謝が行われ、骨の強度が保たれています。しかし、閉経や加齢によってそのバランスが崩れ、骨芽細胞よりも破骨細胞の働きが強くなると、新しくつくられる骨の量よりも壊される骨の量が上回ってしまうため、骨の量が減り、もろくなってしまいます。
骨粗しょう症の診断では、どのような検査を行うのですか?
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  • 骨折の検査 骨折の有無は、X線(レントゲン)検査で確認します。特に、背骨の圧迫骨折は痛みがないこともあるため、背骨のX線検査は重要です。
  • 骨密度の測定 骨密度(骨量)は、X線や超音波を当てることで測ることができます。検査法には下記のようにいくつかの方法があります。骨密度は「若い人の骨密度の平均値=YAM(ヤム)」の何%あるかで表されます。
    DXA ( デキサ ) 2種類のX線を当てて、背骨や太ももの付け根の骨量を測定する検査です。最も正確に骨量を測定することができます。
    MD ( エムディー ) 手のX線写真を撮影し、骨量を測定します。
    QUS ( キューユーエス ) かかとの骨に超音波を当てて骨量を測定する検査で、主に検診で用いられる簡易的な方法です。
  • 骨代謝マーカーの測定 骨代謝マーカーは、破骨細胞や骨芽細胞による「骨の新陳代謝」の状態を知るための指標で、血液検査や尿検査により測定します。骨がどれだけ壊されているかを示す「骨吸収マーカー」と、骨がどれだけつくられているかを示す「骨形成マーカー」があります。骨代謝マーカーを測定することで、お薬の効果を判断する材料にもなります。
骨粗しょう症は、どのように治療するのですか?
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骨密度の改善は、食事療法・運動療法・薬物療法が基本です。
食事療法 カルシウム、ビタミンD、ビタミンKを多く含む食品、タンパク質を摂取しましょう。
運動療法 適度な運動を行いましょう。
薬物療法 さまざまな種類の薬剤があり、飲み薬や注射薬があります。骨密度の程度や骨折の危険性などを考慮して、お薬を選択します。

参考資料
骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会 編:骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2015年版.ライフサイエンス出版,2015
日本整形外科学会ホームページ(https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/osteoporosis.html
杉本利嗣 編:インフォームドコンセントのための図説シリーズ 骨粗鬆症 改訂3版,医薬ジャーナル社,2015

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