治療方法について

手術療法 腹腔鏡手術
開腹手術
薬物療法 対症療法 鎮痛剤
内分泌療法 GnRHアナログ療法
ダナゾール療法
偽妊娠療法
黄体ホルモン療法

子宮内膜症の治療方法には、手術療法と薬物療法があります。
どんな治療法を選択するかは、本人がどのようなライフスタイルを送りたいかで異なりますので、医師とよく相談をして決めていくことになります。

ただし、超音波検査で、5cm以上の卵巣チョコレート嚢胞(のうほう)が見つかった場合は、破裂のリスクを避けるために早めに手術を受けたほうがよいでしょう。

腹腔鏡手術の場合の図、開腹手術の場合の図

それ以外では、いつ妊娠を希望するかによって治療法の優先順位が決まってきます。すぐに子どもが欲しいのになかなか妊娠せず、不妊の検査を行っても原因が他にみつからない場合は、腹腔鏡手術が勧められます。子宮内膜症は再発を繰り返す病気なので、腹腔鏡手術を受けたあとは、再発する前になるべく早く妊娠できるよう計画的に治療を行います。

腹腔鏡手術の場合の図、開腹手術の場合の図

腹腔鏡手術は全身麻酔をして、お腹に腹腔鏡と手術器具を挿入する穴を開け、お腹の中をモニター画面に映し出しながら行う手術です。お腹を大きく切開する開腹手術に比べてキズも小さく、術後の癒着(ゆちゃく)も少ないなど、患者にとっては負担の少ない方法です。入院期間も数日から1週間程度です。

根治手術では子宮と両側の卵巣を摘出します。こうすると女性ホルモンが分泌されないので、原因となっている内膜症の組織も自然に萎縮し、やがて消失します。

薬物療法には対症療法と内分泌療法があります。妊娠の可能性は残したいけれど、当分はその予定がないという場合には、鎮痛剤で対症療法を行ったり、十分な効果が得られない場合には、必要に応じ内分泌療法などを追加します。

子宮内膜症で処方される鎮痛剤は、痛みの原因となるプロスタグランディンの分泌を抑える薬です。痛みをぎりぎりまで我慢している人が多いのですが、痛みがピークに達してからよりも、痛みがひどくなる前、つまり月経開始前から服用したほうが効果が高いので、結果的に薬の使用を最小限に抑えることができます。服用するのをためらわず、早めに服用しましょう。

内分泌療法には、GnRHアナログ療法、ダナゾール療法、偽妊娠療法、黄体ホルモン療法があります。GnRHアナログ療法に使われるGnRHアゴニストは通常6ヶ月間続けて使用しますが、人工的に閉経状態をつくるため、更年期様症状、すなわち、のぼせ、ほてり、肩こり、発汗、頭痛などの副作用があります。ダナゾール療法に使われるダナゾールは通常4ヶ月内服します。こちらは男性ホルモンの誘導体なので、ニキビや体重増加などの副作用があります。GnRHアナログ療法とダナゾール療法では月経を止めるため、治療中は子宮内膜症による月経痛や病気の進行は止まります。ただし、治療を中止すると再び月経が始まり、子宮内膜症が進行する可能性はあります。

偽妊娠療法では、中用量ピルの一部が保険薬として使われます。低用量ピルが、避妊の薬として日本で発売されてからは、ホルモン量が少なく副作用が少ない低用量ピルが主として使われるようになっています。排卵と子宮内膜の増殖を抑えるので、月経量が減って月経痛が軽減されます。低用量ピルはもともとは避妊薬なので、当面は妊娠の予定がないという女性の症状コントロールに適しています。

黄体ホルモン製剤も子宮内膜症に対する治療薬として使用されています。その選択肢も拡がってきて黄体ホルモン製剤の種類によっては、子宮内膜症病変に直接働きかける作用もありますので、コントロール方法の一つとして期待されています。服用中に不正出血が起こりがちですが、更年期様の副作用は少なくなっています。

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