治療後の注意点

子宮内膜症は風邪のように短期間で治る病気ではありません。根治手術を受けるか、閉経する以外は、基本的に長くつきあっていく病気ですから、1回の治療が終わっても、経過観察は欠かさずに行うことが大切です。

外来の予約が1ヶ月先などとなると、つい忘れてしまって、それっきりという人もいますが、しばらく病院に行かないうちに進行して、救急車で運ばれるなどというケースもあります。

とても個人差が大きい病気なので、なかには症状が改善され、自然に治ってしまったという人もいるかもしれませんが、月経があるうちは、再発、進行する可能性が必ずあることを知っておきましょう。

「せっかく手術したのに再発して元に戻ってしまった」「あんなに通院したのに、薬を止めたら、数ヶ月で再発した」などの場合、むなしい気持ちになるかもしれませんが、それまでの治療が無駄だったということではないのです。

通常は「治療=完治」と考えがちですが、子宮内膜症の治療は病気をコントロールすることと考えるのがいいかもしれません。症状が完全になくならないまでも、少しでも改善されるようにコントロールする、これ以上悪くならないようにコントロールする、というふうに視点を変えることにより、常日頃のメンテナンスの大切さが理解できるのではないでしょうか 。

とはいっても、子宮内膜症はどちらかと言うと病気にはあまり縁がない年齢層に多いので、コントロールするというイメージを持ちにくいかもしれません。しかし、歳を重ねて高血圧症、脂質異常症、糖尿病、腎臓病などになると、そのほとんどは自己管理のもとに病気と一生つきあっていく必要があるのです。

子宮内膜症で命にかかわることはなく、閉経すれば自然に治るのですから、ご家族や先生と相談しながら希望をもって前向きに自己管理をし、ライフスタイルを充実させていきましょう。

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「痛み」には相談方法があります。「痛みノート」をつけましょう!

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