子宮内膜症の確定診断は、腹腔鏡で子宮内膜症病変を直接確認しないとできません。しかし、この検査は全身麻酔が必要な大掛かりなものなので、まずは問診や内診、超音波検査などの画像診断を総合して臨床診断を行います。
問診では、初経や月経周期、最終月経、月経量などを、あらかじめ問診票に書き込むケースが多いようです。それに基づき、医師が自覚症状の内容や、いつごろから症状が出始めたのかなど、必要に応じて質問します。
医師はこの問診で得た情報をもとに必要な検査を行いますから、問診には的確に答えることが重要です。初経や最終月経などは、いきなり聞かれても、すぐに答えられないことも多いもの。手帳などを見て受診前にメモをまとめておくといいでしょう。
自覚症状もいつごろから、どこが、どのように痛いのかを、事前に整理しておきます。自分でうまく言えないときは、そのままメモを渡すのも一つの方法です。
問診の次は、内診です。初めての場合、内診台にあがることに抵抗があるかもしれませんが、婦人科の病気の診断には不可欠なものですから、リラックスして受けましょう。息をゆっくり長く吐くと、お腹の緊張がとれて、診断しやすくなります。子宮や卵巣の大きさ、癒着(ゆちゃく)の程度など、内診からは多くの情報が得られます。
医療機関によっては行わないところもありますが、直腸から指を挿入する直腸診では、排便痛や性交痛の原因になる、ダグラス窩の深部病変がないかどうかを診察します。
内診の前後には、超音波検査を行います。超音波検査にはお腹の上から診る方法と腟の中から診る方法があり、卵巣の状態を診るには腟の中から診る方法が用いられます。子宮筋層の状態や、卵巣チョコレート嚢胞(のうほう)の有無や大きさを確認します。
必要に応じて血液検査やCT、MRIを行います。通常、CTやMRIは規模の大きな病院にしかないので、クリニックで診察を受けた場合には病院を紹介してもらいます。病院でも、予約をとって日を改めて行うのが一般的です。
問診や内診、さらには超音波、MRI及びCTなどの画像情報で臨床診断する場合もありますが、確定診断には腹腔鏡検査が必要となります。