月経は病気ではないから痛くても我慢して当然、などと思っていませんか?もちろん、毎月の月経は自然なことではありますが、日常生活に支障がでるほどつらい下腹部の痛みなどがある場合は、「月経困難症」の可能性があります。月経困難症は、子宮内膜症や子宮腺筋症といった病気が原因となっている場合もあります。
ひと口に月経といっても個人差がとても大きく、ほとんど気にならないくらい軽い人から、毎月寝込むほどひどい人まで、実にさまざまです。また、月経は常に同じ状態で来るとは限らないもの。「以前は何でもなかったのに、だんだんひどくなってきた」などと感じる場合には、体からの危険信号と受け取って、早めに婦人科を受診しましょう。子宮内膜症の代表的な症状は、だんだんひどくなる月経痛です。子宮内膜症は月経が繰り返されるたびに進行する病気なので、放置しないことが大切です。
月経リズムの乱れにも注意したいもの。正常な月経周期(月経の初日から次の月経が始まる前日までの日数)は、25〜38日です。月経のしくみのところでも触れたように、月経のコントロールタワーは脳にあるので、精神的なストレスや急激なダイエットで月経のリズムが狂うことはよくあります。ただし、3ヶ月も月経が止まったままなのに、「ラクでいい」などと放置するのは厳禁です。できるだけ早く婦人科を受診しましょう。
月経以外のときに出血する不正出血も、何らかの病気のサインである可能性があります。「月に何度も月経がくる」などと思い込んでいたら、子宮体がんの初期症状だったというケースの報告もあります。
このように、月経の様子からわかることはいろいろありますから、「月経で具合が悪くても病気じゃない」などと決めつけてはいけません。変化があらわれたときに早く気づくことができるよう、ふだんから、自分の月経の様子を把握しておくといいでしょう。