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PAH患者の皆様、初めまして。セコム医療システム株式会社、薬剤師の黒岩と申します。
さて、PAHの治療薬が本格的に認められ始めて20年になります。多くの先生方が⼀歩⼀歩研究され、様々な治療方法が開発されてきたお蔭で、現在では治療しながら仕事をし、家庭を持ち、趣味を楽しむなど、PAH患者様が当たり前の日常生活を送れるようになってきています。
しかし、初めてPAHと診断されてとても不安な方や、毎月・数カ月に1度の検査結果に⼀喜⼀憂されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。更に治療を含む様々な事柄を患者様ご自身・ご家族で決めなければならず、悩まれている方も多いと思います。「Step by step」では、そのような方々に同じ悩みを経験された患者様・ご家族のエピソードや、楽しんでいることなどのお声をお届けできればと思っています。
「日々是好日※」という言葉がありますが、私は今を大事に過ごしていただくために、患者様との面談の際、治療が落ち着いたら何をしたいかをお伺いします。すると初めは「難しいかもしれないけど」とおっしゃいますが、「クラブ活動をしたい」「女子トークをしたい」「旅行がしたい」など、少し先の未来のことを語られます。そしてそれを成し遂げ、今を楽しく過ごされている方々もいらっしゃいます。「どんな⼀歩を踏み出せばいいのかな?」「私はこんな⼀歩を踏み出して、更にもう⼀歩進んでみたよ」など、色々な⼀歩があると思います。そういった⼀歩⼀歩を集めて、今を大事に過ごす糧としていただければと思います。「Step by step」が皆様のホッと⼀息つける場となることを願っております。
※「今この時をどう過ごすのかが大事」などの解釈がある禅語