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アダリムマブBS「MA」による
治療を受けられる方へ

安全に治療を受けていただくための注意点

本剤の治療を始める前の確認事項

次の項目について確認し、あてはまるものがある場合は、主治医に相談してください。

  • 現在、服用中の薬はありますか?
  • 他の病気にかかっていますか?
  • アレルギーをお持ちですか?
  • これまでにバイオ医薬品(生物学的製剤)による治療を受けたことがありますか?
  • 現在またはこれまでに以下の病気にかかったことはありますか?
    • 結核
    • 感染症(敗血症、肺炎など)
    • うっ血性心不全
    • 脱髄疾患(多発性硬化症、視神経炎、横断性脊髄炎、ギラン・バレー症候群など)
    • 重篤な血液障害(再生不良性貧血、汎血球減少症など)
    • 悪性腫瘍(がん)
    • 肝炎(特にB型肝炎)
    • 間質性肺炎
  • 以下にあてはまるものはありませんか?
    • 妊娠中または妊娠の可能性がある
    • 授乳中
    • 感染症にかかりやすい状態(糖尿病である、免疫抑制剤や抗がん剤で治療中)
    • 薬によるアレルギーや過敏症歴
  • 予防接種を受ける予定はありますか?
  • 咳やのどの痛みなど、体調で気になることはありませんか?
問診

本剤投与中の注意事項

本剤投与中は以下にご注意ください。

  • 体調の変化に注意してください

    アダリムマブBS「MA」投与中は体調に気をつけてください。投与中に下記などの異常を感じたら、すぐに主治医、看護師、または薬剤師にご相談ください。

    • 風邪のような症状(発熱、咳、のどの痛み、息苦しさ など)
    • 疲れやすい、だるい
    • 皮膚の症状(発疹、かゆみ など)
    • 血圧が下がる
    • 身体のむくみ
    • 顔色が青白くなる
    体調の変化

    ※他にも気になる症状が出た場合は、すみやかに相談してください。

    ※具体的な副作用については、こちらをご参照ください。

  • 血液検査などの検査を受けてください

    アダリムマブBS「MA」を適正に投与するために、定期的に検査を受けてください。

  • 妊娠

    投与中に妊娠が判明した場合や妊娠を希望される場合は、必ず主治医にご連絡ください。

  • 転院される場合

    他の医療機関に転院される場合は、すぐに主治医にご連絡ください。

  • 他の医療機関や診療所を受診される場合

    他の医療機関や診療科を受診する際にはアダリムマブBS「MA」による治療を受けていることを伝えてください。

副作用について

アダリムマブBS「MA」による治療で次のような副作用がおこる可能性があります。
副作用は早期に発見し適切な治療を行うことで重症化を防ぐことが重要です。

予想されるおもな副作用

  • 注射部位反応:注射部位にかゆみや腫れ、痛みを伴う赤みがあらわれることがあります。
  • 感染症(上気道感染、鼻咽頭炎など):風邪のような症状がみられることがあります。
  • 頭痛、下痢、発疹、かゆみ、湿疹など

特に注意すべき副作用

  • 重篤な感染症[敗血症*、肺炎などの重篤な感染症、日和見感染**、結核など]

    病原体に対する抵抗力が低下して感染症にかかりやすくなることがあります。

    * 病原体が血液中に入って全身に回り、重大な全身症状を引きおこす病気です。

    ** 通常は感染症をおこさない弱い病原体により免疫力が低下したときなどに発症する病気です。

  • ループス様症候群

    自分の身体に対する抗体があらわれて、筋肉や関節が痛んだり、紅斑(赤い斑点)などの症状があらわれることがあります。

  • 脱髄疾患(多発性硬化症、ギラン・バレー症候群など)

    神経線維の一部が壊されてしまう病気です。ご本人が脱髄疾患にかかっている場合や、ご家族に脱髄疾患と診断された方がいらっしゃる場合は、必ず主治医に申し出てください。

  • アレルギー反応(アナフィラキシーショック含む)

    口内異常感や皮膚のかゆみ、赤み、熱感などの症状があらわれることがあります。
    アナフィラキシーショックは、投与30分以内に、呼吸困難、血圧低下、吐き気などがおこります。

  • 血液障害

    汎血球減少、血小板減少、白血球減少などがあります。風邪のような症状があらわれることがあります。

  • 間質性肺炎(肺線維症を含む)

    日常生活の動作の中で、安静時には感じない呼吸困難やから咳などの症状の他、発熱、倦怠感などの症状があらわれることがあります。

  • 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、肝不全など

    意識の低下、発熱、身体がだるい、皮膚や白目が黄色くなる、食欲不振、尿が褐色になるなどの症状があらわれることがあります。

その他の注意事項

  • 悪性腫瘍

    因果関係は不明ですが、TNFα(ティーエヌエフアルファ)の働きを抑える生物学的製剤の投与を受けた患者さんで、悪性腫瘍・悪性リンパ腫が発生した方がいました。このため、現在も調査が進められています。

  • B型肝炎

    過去にB型肝炎にかかったことがある患者さんは、再び症状があらわれることがあります。
    B型肝炎にかかったことがある方は、主治医に申し出てください。

感染予防のために

本剤で治療中は感染症への注意が必要です。予防接種や毎日の生活で感染予防を心がけましょう。
特に、高齢(65歳以上)の方は一般に、免疫機能が低下していますので、感染症にかかりやすく、感染症の症状が悪化する恐れもあります。

①予防接種

感染予防のために、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンなど、ワクチンの接種を検討してください。
ただし、生ワクチンは接種できませんので、予防接種を希望する場合は、主治医に相談してください。

②毎日の生活

  • マスクの着用

    外出する時は、人混みを避け、マスクを着けて気道の保湿・保護をしてください。

  • 加湿器などで保湿

    加湿器などで部屋を保湿し、鼻やのどが乾燥しないようにしてください。

  • 手洗いとうがい

    帰宅したら、まずは手洗いとうがいをしてください。

  • 食事と睡眠

    バランスのとれた食事と十分な睡眠をとるようにしてください。

毎日の生活
注意マーク

少しでも異常を感じたら、すぐに主治医、看護師または薬剤師にご相談ください。
また、アダリムマブBS「MA」投与中は、投与の記録をつけるようにしてください。