Q2 トレプロスト®注射液を静脈内投与するときには、どんなことに注意しなければならないの?

A2

●カテーテル感染

トレプロスト®注射液の在宅持続静脈内投与で最も注意すべきトラブルは、カテーテル感染です。カテーテルには細菌が付着しやすく、感染症を起こす可能性があります。そのため、自宅で行う作業はできるだけ清潔に行う必要があります。もし次のような症状が現れたら、カテーテル感染の可能性がありますので、 直ちに医療機関に連絡して、指示に従ってください。

症状 高熱がでる、寒気がする、カテーテル挿入部の発赤、痛み、はれ、滲出液(じくじくした液が出る)、膿(うみ)

●カテーテル・チューブのトラブル

カテーテルやチューブにトラブルが生じ、一時的にトレプロスト®注射液を投与できなくなっても、すぐに効果がなくなるわけではありません。あわてずに落ち着いて対処しましょう。また、対処しきれない場合や、心配な時は主治医に連絡しましょう。なお、一時的にトレプロスト®注射液を中断したからといって、 ポンプの投与流量を速めることは絶対にしないでください。

トラブル 原因 対処
カテーテル内で血液が固まって閉塞し、薬液が注入できない。 血液の逆流など。 最寄りの救急病院を受診する。
その後、主治医に連絡する。
カテーテルが傷つき、薬液が漏れだした。 カテーテルに強い力が加わった。 ポンプを停止する。薬液が漏れ出している前後の部分のクランプをとめ、最寄りの救急病院を受診する。その後、主治医に連絡する。
カテーテルが抜けた。 カテーテルに強い力が加わった。 直ちに挿入部を滅菌ガーゼで圧迫し、最寄りの救急病院を受診する。その後、主治医に連絡する。
チューブの接続部が
はずれた。
接続部がゆるんでいた。 ポンプを停止する。新しいチューブとカセットに交換する。はずれた直後に発見し、清潔な状態であれば、アルコール消毒綿で接続部を消毒し、再度接続してもよい。

●体調の異変

以下のような体調の異変を感じたら、ポンプやチューブに原因がある場合がありますので、あわてずに原因を探してください。原因が分からない場合や、対処しても体調が改善しない場合は、主治医に連絡してください。

体調の異変 原因 対処
顔が赤くなる
顔が青くなる
脈拍を強く感じる
めまいがする
ふらつく
ポンプが停止している。 ポンプを始動する。
カセット内に薬液がない。 直ちに薬液を調製し、カセットを交換する。
チューブが閉塞している。 チューブが折れ曲がっていれば元に戻し、クランプがとめられていればはずすなど、チューブの閉塞状態を解除する。
血液が逆流している。 チューブの接続部が緩んでいないか確認する。ポンプやチューブに異常が見つからない場合、ポンプを停止し、カテーテルをクランプでとめ、最寄りの救急病院を受診する。その後、主治医に連絡する。
ポンプの設定が間違っている。 設定をなおす。