クローン病の治療目標
症状をまず改善(寛解導入)し、できるだけ良い状態を長く維持(寛解維持)
することで健康な時と同じような日常生活が送れるようになる
クローン病は、消化管に慢性的な炎症が起こり、腹痛や下痢などの症状が生じる病気です。
口から肛門まで消化管のどの部位にも炎症が生じることがありますが、特に小腸と大腸に多くみられます。
炎症が生じている消化管の部位によって「小腸型」「小腸大腸型」「大腸型」に分けられます。
症状が悪化する「活動期」と症状が落ち着いている「寛解期」を繰り返しますが、適切な治療を行うことで、寛解状態を維持することができます。
クローン病では、治療でいったん腸の炎症を抑えても、治療をやめると、再び炎症が強くなってしまう再燃が多くみられます。再燃を繰り返すと、炎症によって腸にできた傷が治りにくくなっていき、腸管が狭くなったり(狭窄)、腸管に孔があいて腸管と腸管または他の臓器がつながったり(瘻孔)といった腸管合併症などが起きやすくなります。合併症などによって、手術が必要になることもあります。
炎症による腸へのダメージの蓄積を避けるためには、症状が落ち着いている時にも適切な治療を続けて、
再燃を予防することが大切です。
症状をまず改善(寛解導入)し、できるだけ良い状態を長く維持(寛解維持)
することで健康な時と同じような日常生活が送れるようになる
色々な社会生活、色々な性格、色々な生きがいをお持ちの患者さんがいらっしゃると思います。また、症状も一人ひとりで異なりますし、同じ患者さんでも時期によって変化します。ですので、治療目標も患者さんごとに異なってくるでしょう。
主治医も、皆さんの病態、社会的背景、性格などを考慮しながら、体の調子だけでなく、
心の状態や仕事、家庭環境、人間関係といった生活の質(QOL)の改善も
重視しながら最適な治療を検討しています。
診察時には、症状の悩みだけではなく、
社会生活上で困っていることや気になることも相談してみましょう。