クローン病の症状など

クローン病は、小腸、大腸を中心とする消化管に炎症が生じて粘膜が侵され、
下痢や腹痛などの消化管症状と、発熱や体重減少・栄養障害などの全身症状が生じるほか、
貧血、関節炎、虹彩炎、皮膚病変などの合併症による症状を伴うことがあります。

  • 腹痛
  • 便意切迫感
  • 下痢
  • 発熱
  • 再発性瘻孔
  • 疲労
  • 体重減少
  • 貧血
  1. ※ Lichtenstein GR, et al.: Am J Gastroenterol., 113(4),
    481-517(2018)
  2. ※ Colombel, J-F. et al.: Gastroenterology., 152(2), 351(2017)
  3. ※ 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業 「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」(久松班)
    令和5年度分担研究報告書. 潰瘍性大腸炎・クローン病診断基準・治療指針(令和5年度 改訂版)、2024、 P32. 

「便意切迫感」とは?

便意切迫感は、“突然かつ緊急に感じる排便の必要性”と定義されています。※1-3
日本のクローン病の患者さんを対象とした調査結果の報告によると、
患者さんが経験した中で影響があると報告されたクローン病の症状は、
「下痢」、「血便」、「排便回数の増加」、「便意切迫感」および「便意切迫感関連」でした。
特に「下痢」と「便意切迫感」は活動期クローン病※4患者さんにとって
最も影響があることがわかりました。※5

  1. ※1 Newton L. et al. J Patient Rep Outcomes. 2019: 3: 66. 本研究はイーライリリーアンドカンパニーの支援により行われた。
    本論文の著者のうち5名は、イーライリリーアンドカンパニーの社員である。著者にイーライリリーアンドカンパニーより講演料、
    コンサルタント料を受領している者が含まれる。
  2. ※2 Buchmann P. et al. Digestion. 1981: 22: 310-316.
  3. ※3 US Department of Health and Human Service [FDA Guidance for UC Endpoints] 2016.
    Available at: https://www.fda.gov/media/99526/download (Accessed August 2020).
  4. ※4 Manitoba IBD indexを用いてスコアが3以下を「活動期」、スコアが4以上を「非活動期」と定義
  5. ※5 Adv Ther. 2025 Feb 28. doi: 10.1007/s12325-024-03078-3.

過去3ヶ月間における
便意切迫感の頻度

過去3ヶ月間はなかった 12.5%(活動期は0です) 月1回より少なかった
便意切迫感を経験したことのある
日本のクローン病患者さん全体(n=56)
便意切迫感を経験したことのある
日本の活動期クローン病患者さん全体(n=29)
Manitoba IBD indexを用いてスコアが3以下を「活動期」、スコアが4以上を「非活動期」と定義
Adv Ther. 2025 Feb 28. doi: 10.1007/s12325-024-03078-3.

患者さんへの調査より・便意切迫感の影響と実態

便意切迫感は「改善したい」症状でありながら、
「医療スタッフになかなか相談できない」という現状もあります。
そんな便意切迫感の生活や人生への影響と実態について、
患者さんを対象としたインターネット調査を行いました。(回答者数100人)

クローン病における便意切迫感の影響と
実態に関するインターネット調査/概要

調査対象
クローン病患者100人
(20歳以上65歳未満)
※クローン病を現在治療中で、「トイレに間に合わないのではないかという不安感がある」と回答された20歳以上65歳未満の方。
本資料当該調査結果の言及においては「患者さん」と記します。
調査手法
インターネット調査
調査地域
日本全国
調査期間
2025年1~2月
監修
日比紀文先生(慶應義塾大学医学部 
名誉教授)
実施者
持田製薬株式会社
調査1

便意切迫感による
日常生活での困りごと/
便意切迫感の人生への影響

多くの患者さんが「トイレの待ち時間に不安を感じる」と答え、
「仕事・学校を辞めた」など、人生に大きな影響があった患者さんも少なくありません。

便意切迫感によって困っている、
悩んでいるのはどのようなことですか?

トイレの待ち時間に不安を感じる 54.0% 外出をためらう 52.0% 食事のタイミングに気を遣う 50.0% 食事の内容が制限される・食べられるものが限られる 44.0% 周囲の人にトイレが多い・長いと思われていないか不安に感じる 30.0% 新しく対人関係を築くのをためらう 21.0% 知人や友人と会うのをためらう 20.0% 異性との交流や交際に消極的になった 19.0% 趣味としていたものが楽しめなくなった 18.0% 人目を避け、引きこもるようになった 14.0% おしゃれができなくなった・制約されるようになった 7.0% あてはまるものはない 10.0%

便意切迫感によって
人生・ライフイベントに
どのような影響がありましたか?

仕事・学校を辞めた 24.0% やりたい仕事・行きたい学校を諦めた 20.0% 休職・休学した 16.0% 転勤・異動・転校した 13.0% 結婚を諦めた・考えられなくなった 12.0% パートナーと別れた・離婚した 7.0% 仕事をフルタイムからパートタイムに切り替えた 6.0% 出産を諦めた・考えられなくなった 5.0% 引っ越した 5.0%
調査2

患者さんの便意切迫感との
付き合い方

多くの患者さんが「便意切迫感と上手に付き合っている」と考える一方、
便意切迫感に対処するために使っている時間について
「60分以上」と回答した患者さんも30%近くに上り、全員の平均時間は50.14分。
大変な状態が当たり前になっているなか、患者さんの工夫や努力によって
日常生活が維持されている可能性があります。

便意切迫感とどの程度
うまく付き合えていると思いますか?

「とてもうまく付き合えていると思う=10」から
「全くうまく付き合えていると思わない=1」
までの10段階

10 7.0% 9 0.0% 8 15.0% 7 15.0% 6 18.0% 5 23.0% 4 7.0% 3 8.0% 2 3.0% 1 4.0% 平均:5.8

便意切迫感に対処するために使っている
時間について、
直近1週間の1日あたりの
平均時間を教えてください。

5分未満 15.0% 5〜9分 7.0% 10〜14分 8.0% 15〜19分 4.0% 20〜29分 6.0% 30〜59分 29.0% 60分以上 31.0% 平均:50.14分
調査3

うまく付き合っていると
思っているが、
本当は
解放されたい「便意切迫感」

便意切迫感からくる不便や不安から解放されたいと思う度合いについて、
40%以上の患者さんが「とても解放されたい」と回答し、
「トイレを気にすることなく何でもできる生活をしたい」と答えた患者さんは99%に上ります。

便意切迫感に伴う不便や不安から、
どの程度解放されたいと思いますか?

「とても解放されたい=10」から
「全く解放されたいと思わない=1」まで
の10段階

10 49.0% 9 8.0% 8 20.0% 7 8.0% 6 7.0% 5 8.0% 4 0.0% 3 0.0% 2 0.0% 1 0.0% 平均:8.6

トイレを気にすることなく、
何でもできる生活をしたいですか?

希望する 99.0% 希望しない 1.0%