トレプロスト持続静脈内投与療法マニュアル
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はじめに10在宅療法で特に注意しなければならないこと トレプロストの在宅持続静脈内投与を行う際に最も注意しなければならないことはカテーテル感染です。感染を予防するためには、手洗いや作業台の消毒をていねいに行って、薬液の調製やカセット、フィルター付延長チューブの交換を行う際には常に清潔な操作を心がけてください。また、カテーテル挿入部を常に清潔に保ち、入浴やシャワーの際にカテーテルやフィルター付延長チューブの接合部、フィルター部分を食品用ラップなどで保護し、水に濡らさないようにすることも重要です。清潔な操作を心がけましょう1 カテーテル感染には、皮膚のカテーテル挿入部に細菌が繁殖して起こるトンネル感染とカテーテルを介して血液中に細菌が侵入する血流感染があります。トンネル感染の場合、カテーテル刺入部からカテーテルにそって、発赤(皮膚が赤くなる)、痛み、腫れ、滲出液や膿などの異常がみられたり、肩に痛みが現れます。血流感染の場合、全身のだるさや寒気、発熱などの全身症状が起こります。また、重くなると敗血症という命を脅かす状態になることもあります。このような異常や症状が現れたら、かかりつけの医師に連絡して指示を受けましょう。カテーテル挿入部の発赤、痛み、腫れ、滲出液、膿など全身のだるさ、寒気、発熱など

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