トレプロスト持続皮下投与療法マニュアル
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38Ⅲ. 注射部位の痛みと対策1. 注射部位の痛みの発生頻度2. 注射部位の管理 国内でトレプロストの持続皮下投与を受けた患者さん(31人)の全員に、注射部位の痛みや何らかの注射部位の反応(赤くなる、はれる、熱くなる、かたくなる、かゆくなるなど)が発現しました。薬剤などの処置が行われましたが、13人(41.9%)が持続静脈内投与へ注射方法を変更し、4人(12.9%)が注射部位の痛みや注射部位の反応のために投与を中止しました。トレプロストの持続皮下投与を1年以上継続した患者さんは、4人(12.9%)でした。 これまでのところ、トレプロストの注射部位の痛みに関しては、発現のしくみは明らかになっておらず、個人の感受性が大きく影響し、患者さんごとに有効な対策が異なると考えられています。そのため、自分にあった対処法を医師・看護師などの医療関係者と相談し、医療関係者からの指示に従うことが大切です。以下に記載された情報を入院期間中に確認しましょう。注射部位の痛みは個人によっても、また、注射部位によっても異なります。注射部位は、個人によって、注射に適した部位と、痛みを鋭敏に感じたりして注射に適さない部位があります。注射している部位が注射に適さない部位であると感じたらすぐに注射部位を変更します。新たな部位に注射を開始してから2~5日が最も強く痛みを感じるという報告があります。トレプロストの投与量が多くなるほど、注射部位の痛みが強くなるわけではないという報告があります。注射部位の痛みに対しては、注射部位を冷やしたり、温めたり、薬剤(鎮痛剤など)を使用したりしますが、効果は患者さんによって異なります。毎回の注射以降、何日目に痛みが発生したか、どの注射部位が痛くなかったか、どの薬剤が効果的であった等を把握するためにも、毎日日誌をつけましょう。注射部位の痛みと注射部位の反応の発現状況(注射開始から12週間)国内でトレプロストの持続皮下投与を受けた患者さん(31人)発現人数(%)発現頻度静脈内投与へ注射方法変更投与中止注射部位の痛み31(100.0)13(41.9)4(12.9)注射部位の反応 注射部位が赤くなる31(100.0)5(16.1)1(3.2) 注射部位がはれる31(100.0)5(16.1)2(6.5) 注射部位が熱くなる24(77.4)5(16.1)1(3.2) 注射部位がかたくなる10(32.3)0(0.0)0(0.0) 注射部位がかゆくなる6(19.4)0(0.0)0(0.0)持田製薬社内資料(国内患者対象試験)

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