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財団の紹介

設立趣旨

近年に於ける我が国の医療及びその周辺の科学技術の進歩には、まことに目ざましいものがあります。然しながらこれを欧米先進国と比較するとき、基礎的研究においても、先進的技術においても彼等並みとは言い難いと思います。この事は、我が国独自の発明、発見、開発が少なく新技術の多くを欧米先進国より導入している現状を見れば明らかであります。
従って、この様な現状を打破し早急に欧米先進国の水準に到達し、且つこれを凌駕することは、我々医療界にある ものの等しく理想とし希求しているところであります。

一方、近年に至り世界の医療及びその周辺の科学技術は、急速にその進歩発展の速度を増し、また、バイオテクノロジー、 遺伝子工学、生体工学及びコンピューターサイエンス等々の新技術と結びつき、今やその研究開発の分野は無限に広域化 せんとしております。
かかる環境においては、もはや一企業又は一研究団体の力を以ってしては、到底適応できないものと考察いたし ます。我が国の最高頭脳が総力を結集して、これに当たらなければならないと思います。
我が国の研究体制の現状を概観しますと、各企業、団体が連携なく夫々の研究活動に従っている状態であり、 またこれら研究に要する資金量も極めて手薄いのが実状と思います。
当財団は、この現状認識のもとに、生命科学を中心とする医学、薬学及びこれに関連する物理学、化学、工学等の 先見的独創的研究を育成するための資金を提供し、心ある研究者の研究活動を奨励し、以って国民福祉の向上に 資せんとするものであります。

さて、持田製薬株式会社社長持田信夫及びその一族は当財団の設立趣旨を諒とされその私財〔持田製薬(株)株式180万株、現金2億3千万円〕の提供を申し出られました。又会社からは、現金〔7千2百3拾万円〕の提供もありました。
これは、持田社長の持論である企業基盤の安定と向上及び社会への利益還元による共存共栄の理論に基づくものと理解しお受けした次第であります。
時遇々、故持田良吉会長が大正2年創業以来70周年目に当たり、且つ当会社が東京証券取引所に上場されて以来20周年目に当たることも意義深いものがあります。
よって、ここに財団法人持田記念医学薬学振興財団を設立し、明日の国民医療と健康に光明を投ぜんとするものであります。又、幸いにして当財団の事業がこれら研究者の研究の一助ともなりうるならば発起人一同の喜びはこれに過ぐるものはありません。

昭和58年7月20日

発起人 代表
持田 信夫
 〃
持田 英
 〃
武見 太郎
 〃
津田 恭介
 〃
小林 隆
 〃
吉利 和
 〃
山村 雄一