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具体的症状と診断法(男性)

■発生部位と病態
陰茎亀頭部、冠状溝、包皮内外板、陰嚢、会陰、尿道口、肛囲および肛門内などに発生します。ウイルスの感染後、潜伏期間は約3週間〜8ヵ月(平均2.8ヵ月)と報告されており、そのため感染機会の特定が困難といわれています。 発症すると乳頭状、鶏冠状、カリフラワー状の疣贅(ゆうぜい=イボ)が多発し、色調は白、ピンク、褐色のほか、時に黒色となる場合もあります。疣贅の大きさは径1〜3ミリ前後が多いとされています。
■自覚症状
自覚症状はほとんどないと言われていますが、痒み、疼痛を感じることがあります。
■診断とHPVの型判定
<臨床診断>
特徴的な臨床症状により、主に視診による診断が行われています。また、見えにくい場所に疣贅が存在することもあるため、尿道口や肛囲に病変がある場合には、シストスコピー(膀胱鏡)やプロクトスコピー(直腸鏡)による観察も重要です。
<確定診断とHPV型判定>
視診のみで診断に至らない場合や、鑑別すべき疾患が存在する場合は、組織を採取しての病理診断を行います。色調が異なるなどの非典型的な臨床像や、薬剤治療に抵抗性を示す場合などに、病理診断が実施されます。
なお、尖圭コンジローマの組織像の特徴としては、錯角化を伴う過角化、表皮肥厚、およびコイロサイト−シスと呼ばれる、核周辺が空胞化した細胞が見られます。
HPVの検出には、主に核酸検出法として、ハイブリッドキャプチャー(Hybrid Capture)法とPCR(polymerase chain reaction)法があります。ハイブリッドキャプチャー法では主に低リスク型と高リスク型の大別を目的として用いられるのに対し、PCR法ではHPVの詳細なDNA型を特定することを目的として用いられます。
●診断の流れ(一例)
*HPVの型判定は将来の発ガンリスクを検討するものであり、尖圭コンジローマの診断にとって必須項目ではありません。
■鑑別が必要とされる疾患
尖圭コンジローマとの鑑別が必要とされる疾患には下記の例があります。
  • 陰茎真珠様小丘疹(pearly penile papule)
    陰茎冠状溝に沿って1ミリ前後の小結節が多発する疾患で、組織学的には真皮内の血管の増生と線維化からなります。生理的な変化の範疇に属し、基本的には治療の必要はありません。
  • フォアダイス状態(Fordyce’s condition )
    陰茎に径1ミリ大程の白色小結節が多発集簇(しゅうぞく)します。毛包とは組織学的に関連しない独立した脂腺の増殖であり、基本的には治療の必要はありません。
  • 伝染性軟属腫(molluscum contagiosum)
    いわゆる水イボと呼ばれるもので、伝染性軟属腫ウイルスの感染による平均2〜5ミリの半球状を呈する軟性の疣贅です。潜伏期間は2〜7週間との報告があり、STDとしては陰茎、陰嚢、会陰部、肛門周辺に発症します。予後は良好でほとんどが自然消退します。
  • ボーエン様丘疹症(bowenoid papulosis)
    16型をはじめとする高リスク型HPVが関与しており、厳密な管理が必要です。外陰部に多発する径5ミリ大までの黒色結節であり、結節の多発、色調などにおいて、尖圭コンジローマが同様の状態を呈することがあるため、生検による確認が必要とされます。
  • 扁平コンジローマ
    梅毒感染3ヵ月後ごろにバラ疹に次いで現れる第二期疹です。陰嚢、肛囲などに発生する、扁平に隆起した灰白色の湿潤病変が特徴です。