Chapter 3 治療を始めるにあたって大切なこと

治療をきちんと続けることで、症状が治まっている「寛解」状態を維持することが期待できます。 治療をきちんと続けることで、症状が治まっている「寛解」状態を維持することが期待できます。

潰瘍性大腸炎では、再燃と寛解を繰り返す場合があります。
下痢や血便などの症状が治まっていても、大腸粘膜には炎症が残っていることがあります。

粘膜の炎症が完全に治まった状態を「粘膜治癒ねんまくちゆ」といいますが、近年では、この「粘膜治癒」の状態を目指すことが重要と考えられるようになってきました。

ではなぜ、「粘膜治癒」を目指す必要があるのでしょうか?
「寛解」状態といっても、炎症レベルには差があります。
症状が治まっただけの状態(臨床的寛解)で治療をやめてしまうと、再燃しやすくなります。
しかし、「粘膜治癒」の状態であれば、波が来ても、再燃しにくくなりますので、治療をきちんと続けて、より良いコントロールを目指すことが大切です。

症状が落ち着いていても、粘膜の炎症の状態を把握するために検査(便検査・血液検査・内視鏡検査など)を行います。 症状が落ち着いていても、粘膜の炎症の状態を把握するために検査(便検査・血液検査・内視鏡検査など)を行います。

薬剤師からのひとくちアドバイス! 薬剤師からのひとくちアドバイス!

症状が治まっていても、根気よく治療を続けましょう 症状が治まっていても、根気よく治療を続けましょう

症状が強く現れる活動期は、お薬による治療をきちんと続けられている方が多いのですが、症状が治まっている寛解期になると、お薬の飲み忘れが目立ちはじめます。
また、「症状がなければ、服薬しなくても大丈夫!」と思っている方も一部で見受けられます。

しかし潰瘍性大腸炎では、症状が治まっていても、治療をきちんと続ける必要があります。
根気よく服薬を続けて、寛解状態を長く維持しましょう。

根気よく治療を続ける「コツ」を、いくつかご紹介します
ピルケースを利用する

お薬を飲んだかどうか忘れてしまって、飲まないことがあったりしませんか?
ピルケースなどを利用すると、飲み忘れがないかが一目でわかります。

「治療がなぜ必要なのか?」を再度、頭の中に思い浮かべる
治療が長期化してくると、お薬を飲まなければいけない気持ちが薄れてしまうことがあるかもしれません。 そのような時は、治療の必要性を再認識してみましょう。
無理して服薬を続けてはいけない場合もあります

潰瘍性大腸炎の基本的治療薬である5-ASA製剤による治療を始めてから早期(服薬開始10日前後~数週間)のうちに、下痢や血便が悪化したり、発熱や発疹などがみられる場合は、アレルギー反応の可能性があります。

その場合は、無理して服薬を続けようとはせずにすぐに主治医にご連絡ください。

【監修】
北里大学北里研究所病院 炎症性腸疾患先進治療センター 副センター長 
小林 拓 先生

北里大学北里研究所病院 薬剤部 薬剤師 
八木澤 啓司 先生

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