Chapter 2 どのような治療法があるの?

潰瘍性大腸炎の治療は、重症度や炎症の範囲、QOL(生活の質)の状態などを考慮して行います。多くの患者さんでは、炎症を抑える「薬物療法」が中心となります。 潰瘍性大腸炎の治療は、重症度や炎症の範囲、QOL(生活の質)の状態などを考慮して行います。多くの患者さんでは、炎症を抑える「薬物療法」が中心となります。

薬物療法

潰瘍性大腸炎の薬物療法は、「活動期」と「寛解期」に合わせ、活動期の炎症を抑えて落ち着かせ寛解に持ち込む寛解導入療法と、寛解を長期にわたって維持し再燃を防ぐ寛解維持療法の2つに分けられます。

薬物療法 薬物療法

潰瘍性大腸炎の治療に用いられる主な薬剤

〈5-ASA(5-アミノサリチル酸)製剤〉

腸の炎症を抑えるお薬です。軽症~中等症の潰瘍性大腸炎治療の中心となる基本的治療薬であり、寛解導入療法にも寛解維持療法にも用いられます。

5-ASA製剤には、「飲み薬」や「坐薬」など使い方が様々あるため、患者さんの症状や希望に合わせて、医師と相談して選ばれます。

〈ステロイド〉

活動期の炎症を強力に抑えるお薬で、必要な期間に必要な量だけ使用されます。寛解導入療法に用い、寛解を維持する効果はありません。

〈免疫調節薬〉

過剰になっている免疫反応を抑えるお薬です。ステロイド治療の効果が低い場合や、ステロイドの減量・中止後に再燃を繰り返してしまう場合に使用されます。寛解維持療法として用いられます。

〈抗体製剤(抗TNFティー エヌ エフ-αアルファ抗体、抗αアルファ4βベータ7インテグリン抗体)〉

炎症を引き起こす物質の働きや、腸へ炎症細胞が行くことを抑えるお薬です。ステロイド治療の効果が低い場合や、ステロイドの減量・中止後に再燃を繰り返してしまう場合などに使用されます。寛解導入療法にも寛解維持療法にも用いられます。

JAKジャック阻害薬〉

JAKという炎症物質が働くために必要な仕組みを抑えるお薬です。抗体製剤と同様、難治の場合に使用されます。寛解導入療法にも寛解維持療法にも用いられます。

〈その他〉

他にも、寛解導入療法に用いる免疫抑制剤などがあります。

薬物療法以外では、「血球成分除去療法」や、大腸をすべて摘出する「手術療法」があります。 薬物療法以外では、「血球成分除去療法」や、大腸をすべて摘出する「手術療法」があります。

血球成分除去療法

主に、薬物療法で効果不十分な場合に検討されます。 血液を一旦体内から取り出して、炎症を起こしている「異常に活性化した白血球」を外部装置で取り除き、再び体内に戻す治療法です。主に寛解導入療法に用いられます。

手術療法

下記のいずれかに該当する場合に、大腸をすべて摘出する手術を検討することがあります。

● 手術療法の主な適応例
  • ① 内科治療が無効(特に重症例)
  • ② 副作用などで内科治療が行えない
  • ③ 大量の出血
  • 穿孔せんこう(大腸に穴があく)
  • ⑤ 大腸がんまたはその疑い

【監修】
北里大学北里研究所病院 炎症性腸疾患先進治療センター 副センター長 
小林 拓 先生

北里大学北里研究所病院 薬剤部 薬剤師 
八木澤 啓司 先生

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