不育症を知ろう

不育症Q&A

新着情報
2015年3月16日(月) 「不育症Q&A」を更新しました。

不育症という病気について知りたい

Q1.不育症と不妊症は何が違うのですか?

A1.

不育症とは妊娠はするものの流産や死産を2回以上繰り返し、赤ちゃんを授かることができない病気です。

流産を繰り返す反復流産や習慣流産も不育症に含まれます。

不妊症とは健康な男女のカップルが妊娠を希望し、避妊をせず夫婦生活(セックス)を営んで1年間を過ぎても妊娠しないことです。 また、臨床上は1年未満でも不妊症と診断することもあります。

不妊症について

不育症について

Q2.不育症は誰でもなる病気ですか?

A2.

不育症は、妊娠するが流産や死産を2回以上繰り返し、赤ちゃんを授かることができない病気です。

妊娠した女性の約40%が流産を経験し、約5%が不育症と考えられます。決してめずらしい病気ではなく、誰でもなる可能性のある病気です。

また、不育症の検査を行っても、60%以上の方は、はっきりとしたリスク因子がわかりません。一般に、流産の約80%は赤ちゃんの偶発的な染色体異常でおこりますが、それは夫婦に何も異常がなくてもたまたま赤ちゃんに異常が起こるケースですので、特に治療をしなくても、次回の妊娠時には高い確率で出産に至ることがわかっています。
なお、リスク因子がわかった方は、それぞれのリスク因子に対応する治療について専門医と相談しましょう。

不育症について

Q3.不育症にならないためにはどのような注意が必要ですか?

A3.

不育症にならないための方法や対策は現状ではありません。

めずらしい病気ではなく、誰でもなる可能性はありますが、検査や治療を受けることにより80%以上の方が無事に出産しています。

夫婦だけで悩まず、専門医の先生に相談しましょう。

Q4.不育症になりやすい原因に年齢は関係ありますか?

A4.

妊娠の年齢が高齢になると流産率が上昇すると考えられるため、不育症にもなりやすくなると考えられます。

海外のデータでは母親の年齢が40歳代の場合、流産率が50%との報告もあります。

Q5.不育症の原因にはどのようなものがありますか?

A5.

妊娠初期の流産の大部分は胎児(受精卵)の偶発的な染色体異常が原因で、両親のリスク因子が原因になっている場合は少ないようです。

リスク因子のうち女性側の要因としては、子宮形態異常、内分泌異常(甲状腺疾患、糖尿病)、抗リン脂質抗体症候群、血液凝固因子異常などがあります。

日本での報告では、詳しく調べてもリスク因子がわからない場合が60%以上あります。その多くは、偶発的な胎児の染色体異常を繰り返しただけと考えられています。

不育症について

不育症の検査や治療について知りたい

Q6.不育症は一般的な産婦人科で検査や治療ができますか?

A6.

不育症に対する検査や治療についての指針が、2011年3月に全国の医療機関(産婦人科)に連絡されています。

かかりつけの産婦人科の医師とよく相談し、ご自身が納得のいく検査や治療を受けることをおすすめします。

不育症専門外来を行っている全国の医療機関は以下をご覧ください。

厚生労働省研究班によるFuiku-Laboのホームページ

日本生殖免疫学会の不育症治療施設一覧

Q7.不育症の検査にはどのようなものがありますか?

A7.

不育症の検査には以下のようなものがあります。

(1)子宮形態検査
子宮の形に異常がないかを調べる検査として、子宮卵管造影検査、経腟超音波検査、子宮鏡検査などがあります。

(2)血液検査
[女性]
・血液が固まりやすくなる異常がないかを調べる検査
・甲状腺の機能異常や糖尿病がないかを調べる検査
[夫婦]
・染色体の異常を調べる検査

不育症リスク因子の検査

Q8.不育症かどうか、妊娠する前に調べる方法を教えてください。

A8.

不育症の原因は、60%以上が偶発的な流産または原因不明です。検査でそれ以外の原因を調べることは可能ですが、検査費用は自費となります。

Q9.不育症の染色体検査で異常がみつかりました。
妊娠は諦めたほうが良いでしょうか?

A9.

両親のいずれかの染色体構造に異常がある場合には流産の確率が高くなります。染色体異常は、それ自体を治すことはできませんが、出産の可能性や遺伝の確率については異常の種類により異なりますので主治医に十分相談しましょう。

赤ちゃんに染色体異常があった場合、多くは流産してしまいます。頻度は少ないのですが、赤ちゃんに異常があっても流産せずに生まれてくることがあります。心配でしたら羊水検査を行うこともできます。

以前は夫婦で染色体異常がわかった場合、妊娠をあきらめるケースも多かったのですが、それは間違いです。流産率は高いのですが、最終的には多くの方が子供を持てることもわかってきました。

Q10.不育症の治療にはどのようなものがありますか?

A10.

検査でみつかったリスク因子について治療を行います。

(1)染色体異常
染色体異常の種類によって、今後の治療方針が決まります。夫婦で十分なカウンセリングを受け医師とよく相談してください。

(2)子宮形態異常
子宮形態異常のタイプによっては必ずしも治療の必要はありませんが、手術を行う場合もあります。

(3)内分泌異常(糖尿病、甲状腺機能異常)
糖尿病や甲状腺機能異常の治療を行います。

(4)血液凝固因子(血栓性素因)異常
抗血栓療法を行います。

原因不明の不育症に対しては、胎児の染色体の異常でたまたま流産を繰り返してしまう偶発的流産の場合もあるため、積極的な治療を行わず、経過観察で赤ちゃんを授かる可能性があります。不育症外来を受診した方は、種々の治療により最終的に約80%が出産すると報告されています。

不育症の治療

Q11.不育症の検査で子宮の形が悪いといわれました。
今後の治療はどのように行えば良いのでしょうか?

A11.

子宮の形態異常では手術を行うこともありますが、手術については個々の症例や背景因子により専門的な判断が必要です。

主治医の先生に相談することが大切です。

不育症の検査や治療の費用について知りたい

Q12.不育症の専門病院を教えてください。

A12.

以下のリンク先に不育症専門病院、不育症治療施設が紹介されていますのでご参照ください。

厚生労働省研究班によるFuiku-Laboのホームページ

日本生殖免疫学会の不育症治療施設一覧

Q13.不育症の治療にはどれくらいの費用がかかりますか。
また、その費用は保険適用になりますか?

A13.

不育症の一般的な検査や治療は、ほとんどが保険適用されています。ただし、有効性、安全性等が十分に確認されていない研究段階の検査や治療については保険適用されていません。

治療にかかる費用は不育症の原因により異なりますので、医療機関にご確認ください。

不育症リスク因子の検査

Q14.不育症の検査や治療には費用の助成がありますか?

A14.

不育症に対する助成金制度を設けている自治体もあり、検査や治療の内容により助成を受けられることもあります。不育症で悩む方々の相談窓口が全国にありますので、ぜひ相談してみてください。

詳しくは厚生労働省ホームページ「全国の不育症相談窓口」を参照ください。

全国の不育症相談窓口

不育症治療の助成について

流産と不育症について知りたい

Q15.流産を経験しましたが、赤ちゃんがほしい気持ちで一杯です。
しかし、次も流産したらと不安があります。前向きに向き合う方法など教えてください。

A15.

流産は経験して初めて、失望感・孤独感など深い悲しみを抱きます。ご自身の悲しみは一人で抱え込まないことが大切です。

まず、主治医の先生や看護師もしくは心理師の先生にご自身の今の気持ちをお話しして、アドバイスをいただいてはいかがでしょうか。産婦人科医や心理師からカウンセリングを受けることによりストレスが改善し、妊娠の成功率が高くなることが知られています。

また、専門の産婦人科医により不育症スクリーニングを行い、原因を明らかにすることでストレスが改善することも知られています。

流産を経験された方へ

Q16.流産を繰り返したので、次回の妊娠が不安で妊娠する勇気が持てません。
どのようにすれば良いのでしょうか?

A16.

不育症の方は、皆さん同じ想いを持ってらっしゃいます。まずは全国の不育症相談窓口に相談してみてください。

また、専門の医師、看護師もしくは心理師等に直接相談に乗ってもらえる自治体もありますので、お話ししていただくことをお勧めします。

同じ悩みを持つ方と集い、情報を交換することも良いでしょう。悩みを聞いてもらうことで、気分的にもかなり楽になります。1人で悩み続ける必要はありません。

気持ちが落ち着き、妊娠について前向きになれば産婦人科を受診し、不育症の検査を受けてください。

全国の不育症相談窓口

Q17.不妊症で体外受精を行っていますが、2回とも流産してしまいました。
私は不育症なのでしょうか?

A17.

不育症の可能性があります。不妊症と不育症を併せ持っている方は少なくありません。不育症検査を受けることをお勧めします。

検査は不妊症の治療を行っているクリニックでもできますが、お近くに不育症専門外来がある病院や診療所があれば不妊症の治療は不妊クリニックで行い、不育症の治療は妊娠後に不育症外来で管理していただいても良いでしょう。

出産経験と不育症との関係を知りたい

Q18.一人目の時は特に問題なく妊娠・出産しました。
その後流産が続いています。不育症でしょうか?

A18.

一人目の妊娠は、リスク因子があるにもかかわらず、運よく出産できた可能性があります。その後流産を繰り返しているため、不育症の可能性があると考えられます。不育症リスク因子の検査をおすすめします。

なお、リスク因子がみつかる確率は出産経験のない不育症と比べて少ないといわれています。リスク因子がみつからなければ、不育症ではなく、偶発的な胎児の染色体異常で流産を繰り返していると思われます。

不育症リスク因子の検査

Q19.不育症治療をして出産した場合、次の妊娠でも不育症治療が必要となりますか?

A19.

不育症の原因にもよりますが、次の妊娠でも同じように治療が必要となる場合があります。主治医の先生とよく相談しましょう。

Q20.一人目の子供は問題なく妊娠・出産しました。かかりつけの産婦人科で、血栓ができやすく、流産しやすい体質だといわれました。治療が必要でしょうか?

A20.

不育症のリスク因子として、血液凝固異常(血栓ができる)が25%に認められています。

一人目のお子さんを授かったのですから、次の妊娠で流産や死産を繰り返す場合には治療が必要かもしれません。かかりつけの産婦人科に相談しましょう。

不育症について

パートナーの不育症のサポートについて知りたい

Q21.妻が流産を繰り返し、何ともいいようのない寂しさを抱いています。
家族としてどのように接して良いか戸惑うばかりです。
どのように接したら前向きな気持ちになるのでしょうか。

A21.

流産を繰り返し経験した場合、パートナーや家族の精神的なサポートが大変重要です。全国に不育症相談窓口がありますので、まず相談してください。

自治体によっては、専門の医師、看護師もしくは心理師等に直接相談に乗ってもらえます。産婦人科医や心理師からカウンセリングを受けることによりストレスが改善し、妊娠について前向きな気持ちになることや、次回妊娠の成功率が高くなることが知られています。

パートナーも一緒に悩みや悲しみを共有し、やさしく接することが必要です。

全国の不育症相談窓口

Q22.生活上の注意にはどのようなものがありますか?

A22.

流産を繰り返すことは、相当なストレスになります。また、流産を繰り返しても、治療が必要な場合は少数で、異常がないにもかかわらず、「次の妊娠でも同じことを繰り返すのではないだろうか。」などの、不安や心配と闘っています。そのため、メンタル面でのケアが必要です。

Tender loving care(優しく接する)で優しい言葉をかけ、パートナーを支えることが必要です。そのためには、パートナーと一緒に流産や不育症について正しく理解することが大切です。

不育症の生活上の注意

Q23.治療、妊娠中はどのようなサポートが必要ですか?

A23.

不育症の治療中や妊娠が判明した場合には、ご本人、パートナーともに漫然とした不安を感じている場合が多いようです。

妊娠前に比較して、妊娠したことで精神的ストレスが急速に増加します。このストレス軽減のためにも、パートナーと一緒にかかりつけの産婦人科医から、正確な検査結果や今後の治療方針、妊娠継続について説明を受けましょう。

他に困ったことがあったら、相談窓口にもパートナーと一緒に行きましょう。また、両親や近所に気をつかわなくてもすむように、配慮することも必要です。「パートナーと一緒にがんばろう」という態度で接することが重要です。

不育症の生活上の注意

Q24.不育症について身近な相談窓口を教えてください。

A24.

厚生労働省のホームページに全国の不育症相談窓口一覧が掲載されていますので参照ください。

全国の不育症相談窓口